ドル上値重い、米関税で報復なら株安・リスクオフに=来週の外為市場

 1月31日、来週の外為市場でドル/円は、上値の重い展開が予想される。写真は2016年1月撮影(2025年 ロイター/Jason Lee)

[東京 31日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、上値の重い展開が予想される。トランプ米政権の関税に伴うインフレ懸念は織り込みが進んだものの、発動対象や報復関税も注目されており、仮に報復となれば株安・リスクオフでドル/円は下押しされる可能性がある。他方、2月7日の実施見通しが報じられている日米首脳会談で為替の円安進行に脚光が当たれば、ドル売り/円買いが進むとの指摘もある。

予想レンジはドルが152━156円、ユーロが1.02―1.06ドル。

トランプ米政権はメキシコ・カナダに対し、2月1日に関税を発動する構えを鮮明にしている もっと見る 。三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリストは、メキシコやカナダへの関税に伴うインフレ懸念は「織り込まれた」として、同日に中国への発動がなければドル高は一服するとの見方を示した。

みずほ証券チーフ為替ストラテジストの山本雅文氏は、市場の織り込みが進んでいない点として関税発動後の報復関税の影響を挙げる。報復があれば「世界的な景気悪化が織り込まれ、株安・リスクオフでドル/円は下落する」とみる。また、特に中国への追加関税が実施されれば「世界経済への影響が大きく、リスクオフによりつながりやすくなる」として、ドル安/円高圧力が強まるとした。

6日には田村直樹審議委員が長野県金融経済懇談会に出席してあいさつと記者会見を行う。タカ派とみられている田村委員の発言内容次第では、円高材料になる可能性もある。

7日の実施見通しが報じられる日米首脳会談について、三菱UFJ銀行の井野氏は「(日本が)事実上円安誘導と言える政策を取ってきたことへのトランプ氏の見解」が注目だとして、踏み込んだ発言などが出れば円高バイアスがかかる可能性があると指摘する。

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