米シカゴ連銀グールズビー総裁、中銀の独立性を制限する動きに警鐘

Stephanie Lai

  • 政治的干渉からの金融政策の独立性が極めて重要-グールズビー氏
  • 中銀の独立性ない国・地域はインフレ高く、成長は鈍く、雇用は悪い

米シカゴ連銀のグールズビー総裁は、連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を制限する動きに警鐘を鳴らした。トランプ大統領が数日前にパウエルFRB議長への不満を表明していた。

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  グールズビー総裁は20日、CBSの番組に出演し、「政治的干渉からの金融政策の独立性が極めて重要であるという点でエコノミストの間ではほぼ一致した見解がある。そうすることによって、FRBやその他のあらゆる中央銀行は必要な役割を果たすことができる」と語った。

  「金融政策の独立性が疑問視されるような状況に陥らないことを強く希望する」と述べ、「そうなったら、FRBの信認は損なわれかねない」と続けた。

  グールズビー氏は、中央銀行が金融政策の独立性を有しない国・地域では、そうでない場合と比べて「事実として、インフレ率が高く、成長は鈍く、雇用状況は悪い」と指摘した。

  FRBは政治から独立した機関として設計されているため、その議長を解任する法的根拠は疑問視されている。トランプ氏のコメントは、大統領が米国政府のすべての機関に対する支配を強化しようとしていることをあらためて示した。

  ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は18日、パウエル議長解任が選択肢となっているかと記者団に問われ、「トランプ大統領と同氏のチームがその件を引き続き検討する」と答えた。

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  パウエル議長は任期満了前に退任しない意向を表明しており、16日にエコノミック・クラブ・オブ・シカゴで講演した際も、FRBの独立性は「法律上の問題」であり、「正当な理由がない限り解任されない」と強調した。

原題:Fed’s Goolsbee Warns Against Curbing Central Bank Independence(抜粋)

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