「前と比べるとサッカーが下手くそになってしまったような感じで非常に残念」(ロペス)。 スタイル転換には時間と覚悟が必要だ [J8節 名古屋戦レビュー]

一か八かのロングフィード

これまでのJ1リーグでの戦いぶりを見れば、マリノスが自陣からのビルドアップに問題を抱えていることは明白。課題解消の決め手となるはずだったトーマス・デンはファジアーノ岡山戦での負傷が尾を引き、再び欠場を余儀なくされた。そんな状態を見越したのだろう、名古屋グランパスの長谷川健太監督はハイプレスを仕掛けてきた。最前線のマテウス・カストロや2列目ながらスピードスターの永井謙佑が執拗にプレッシャーに走ってくる。

するとマリノスはまったくと言っていいほどボールをつなげない。出し手と受け手の関係ばかりで、その次のパスが成立しない。すると相手陣内へ前進していけない。朴一圭からのロングフィードは一か八かのボールがほとんど。味方にヒットしても次がないのだから、フィジカルに優れる相手ボールになるのは自然の摂理だ。

フィードの質について指摘しているのではなく、長いボールを蹴るしか選択肢のない状況が大きな問題である。朴は試合後に「もちろんGKを使うのはいいけど、言ってもリンクマン。まずはフィールドの選手たちが何をするか」と話したが、これに強く同調したい。フィールドプレーヤーに主体性がなければ、ボールは相手ゴール前には進んでいかない。

そもそも土台にあるべきアグレッシブさはどこへ消えてしまったのだろう。アグレッシブとは、ボールへの関与意識と言い換えてもいい。攻撃ならばホールホルダーに選択肢をもたらすランや動き出しで、守備時はプレッシャーをかける姿勢である。その両方が欠如しているチームには、停滞感が先行する。

この試合前まで6試合で4失点と数字上は高評価できる守備だが、ゴールを守ることへ意識と労力を割いている。そのためボールの出し手への寄せが甘くなり、前半中盤にクロスから中山克広に決定機を献上。さらにマテウス・カストロに危険なミドルシュートを打たせてしまった。

マリノスにも決定機はあり、26分に遠野大弥が右足でコースを狙い、29分にヤン・マテウスが得意の左足でチャンスを迎えた。決まっていればリードして試合を折り返すことも可能だったわけだが、それはパフォーマンスの良し悪しとは別問題である。

苦しむ前線の選手たち

それでもスティーブ・ホーランド監督は「前半はチームとして特に問題があったとは思わない」と強気に言う。その結果が後半立ち上がりからの被決定機の連続と失点では、もはや説得力がない。前後半で対戦相手が何かを大きく変えてきたわけではない。前半からの続きを後半も実践した結果である。

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