イチロー氏が鳴らす日本球界への警鐘 抱く"危機感"…現状ではMLBを「超えられない」
「SATO presents 高校野球女子選抜 vs イチロー選抜 KOBE CHIBEN」が8月31日、バンテリンドームで行われた。「1番・投手」で出場したイチロー氏は9回1安打完封、111球を投げて勝利を演出した。試合後に「2025年 野球殿堂入り」の表彰式も行われたが、取材対応では日本野球のあり方について“警鐘”を鳴らす場面もあった。
51歳のレジェンドは和かな表情をみせながら、表彰式に臨んだ。取材対応ではプレーヤー表彰で殿堂入りをしたことについて問われた。「アメリカの野球を追いかけているところ、いまだにありますよね。殿堂もおそらくそういうことが言えると思うんですけれど。そのスタンスでは恐らくアメリカの野球を超えられないと思うんですよね」と思いを述べた。
ルールなどにおいても日本がメジャー流にならっている部分が多い。「もうここまで日本の野球が成熟してきたわけですから、もう独自の形があっていいと思うんです、僕は。殿堂入りもしかり。そこにプライドを持ってほしいなと思います」。オリジナルの路線で日本球界の未来を“開拓”していってほしいと願った。
「それは殿堂だけではなくて、野球そのものに日本の独自のものがあっていい。それが世界一に近づくっていう考え方です。これを大事にしてほしいなってすごく思います」
もちろん、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など国際大会はアメリカの影響力が大きいことも知っている。「それにならって変わっていくしかないという考えもわかるんですけど、それだけではないですけどね」。あらゆる面でアメリカを“追随”するのではなく、独自路線でこそメジャーを超える日本野球のあり方が見つかるのでは、と熱く語った。
(湯浅大 / Dai Yuasa)