国内債券、超長期中心に3000億円増 利上げ1―2回想定=大同生命・25年度運用計画

 4月18日、T&Dホールディングス傘下の大同生命保険は2025年度の一般勘定資産運用計画で、国内債券について超長期債を中心に3000億円程度を積み増す考えを示した。写真は円紙幣。2011年8月撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 18日 ロイター] - T&Dホールディングス(8795.T), opens new tab傘下の大同生命保険は18日、2025年度の一般勘定資産運用計画で、国内債券について超長期債を中心に3000億円程度を積み増す考えを示した。前期の3100億円増加と同規模の想定となる。日銀による利上げは年度内に1―2回、米連邦準備理事会(FRB)の利下げは同3―4回を想定している。

運用企画部長の佐藤孝明氏がロイターなどに対し語った。「ALM(資産・負債の総合管理)の観点から資産側のデュレーションを負債に寄せる余地がある」と説明した。8割程度の手当ては済んでいるという。

同社では、年度内の30年金利は2─3%のレンジを予想。年度末は2.7─2.8%程度とみている。日本の景気は、海外の景気減速の影響を一定程度は受けると予想しているが、実質賃金の上昇や財政出動などで底堅さを維持し、日銀は利上げスタンスを継続すると想定している。

長期金利は年度を通じて緩やかな上昇を見込む。海外の景気に減速感が出てくる中、翌年度以降の高水準の賃上げの持続可能性は限定的となり、追加利上げの余地は限られてくると予想している。

米景気は、関税政策が一時的にインフレ圧力となるが、景気が減速することで利下げが実施されると予想。年央から年度後半にかけて、関税政策の不透明感が後退することに加え、減税や利下げが下支えとなって景気後退には陥らないとみている。

外国債券は、国内金利上昇やヘッジコスト高止まりなど「相対的な投資妙味が低下している」とみているほか、為替リスク削減のため残高削減を継続する方針。これまで積極的に残高を削減してきたため「今年度の削減額は小幅にとどまる」としている。

市場変動リスク低減のため内外株式は削減を続ける。政策保有株も引き続き計画的に削減する。貸し付けやオルタナティブは増加の方向としている。

リスクシナリオとして、貿易摩擦が激化してグローバルに景気後退になる展開には警戒が必要とした。

<24年度は国内超長期債を3100億円積み増し>

前期は国内債券の残高が3100億円増だった。購入が4800億円の一方、売却・償還が1700億円だった。金利リスク削減や経済価値ベースでの収益安定化に向け、超長期国債を中心に購入した。

一方、外債はヘッジ付きは500億円減、オープンは300億円減だった。円金利上昇やヘッジコストの高まりといった環境面に加え、為替リスク低減のため。

内外株式は市場変動リスク低減のため削減していく方針に沿って、米大統領選前の年度前半を中心に残高を減らした。

◎25年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本国債10年物利回り 1.00―1.80%(年度末1.50%)

米10年債利回り    3.20─4.80%(同4.00%)

日経平均        3万0000円─4万0000円(同3万6000円)

米ダウ         3万6000ドル─4万6000ドル(同4万3000ドル)

ドル/円        130―155円(同138円)

ユーロ/円       145―175円(同155円)

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