米共和党、トランプ減税延長へ本格始動 7月4日までの成立目指す

 米議会共和党は28日、トランプ大統領の減税政策を盛り込んだ法案の7月4日までの成立に向けて本格的な取り組みを開始した。低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」やグリーンエネルギー政策の予算削減を通じた財源確保を巡る対立解消を目指す。写真は首都ワシントンの米議会。2023年4月撮影(2025年 ロイター/Sarah Silbiger)

[ワシントン 28日 ロイター] - 米議会共和党は28日、トランプ大統領の減税政策を盛り込んだ法案の7月4日までの成立に向けて本格的な取り組みを開始した。低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」やグリーンエネルギー政策の予算削減を通じた財源確保を巡る対立解消を目指す。

ベッセント財務長官は、共和党のジョンソン下院議長、スーン上院院内総務、税制委員会委員長らとの非公開会合後、記者団に対し、「下院は迅速に議事を進めており、上院も足並みをそろえている。両院は実質的に合意していると考えている」と指摘。「法案の税制部分を7月4日までに完成させたい」と述べた。

共和党の最大の目標は、第1次トランプ政権時の2017年に導入された減税・雇用法のうち、今年末に期限切れとなる条項を延長することだが、超党派の研究者らはこの措置には10年間で4兆6000億ドルの費用がかかると推計している。

共和党は上下両院で多数派だが、休会となる5月22日までに下院で法案を可決し、上院に送付するというジョンソン下院議長の目標を達成できるかどうかは不透明だ。

民主党のジェフリーズ下院院内総務は「彼らはメディケイドで米国史上最大の削減を実行しようとしている。それは家族、子ども、高齢者、障害者、一般国民を傷つけるだろう」と述べ、強く反対した。

共和党内の穏健派も社会保障制度や環境対策への大幅な削減に反対している。

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