「お盛んですね」「49歳でいやらしい」高齢妊娠の発信に届いたバッシング…49歳で出産した女性(52)が驚いた“日本のセックスレス”と偏見の根深さ
49歳のときに卵子提供を受け、ニューヨークで出産したこりんごさん(52)。現在はYouTubeやブログで自身の不妊治療や高齢育児について発信をするなど、活動の幅を広げている。
そんな彼女に、第二子への思いや、子どもへの告知について、さらに、卵子提供に対する社会の意識などについて、話を聞いた。
こりんごさん家族◆◆◆
第二子を作るチャンスもあるけれど
――2022年に提供を受けた卵子はまだ保存されているんですか?
こりんごさん(以下、こりんご) 夫の精子と掛け合わせた受精卵が、あと3つ凍結保存されています。
なので、体調が良ければすぐにお腹に戻して第二子を作るチャンスは一応あって。お腹に戻すだけで3、4000ドルかかるんですけど。
――第二子を考えることは?
こりんご 私が70歳のときに息子が20歳になるので、どうしたって若いママに比べたら一緒にいられる時間は短いじゃないですか。だからせめて兄弟がいたらいいなと、第二子を考えてはいたんですけど、いまだに動けていない自分がいます。
――そうなんですね。
こりんご 第一子は49歳のときだったので、次に作るなら51歳だと思ってたんですけど、もうすぐ53歳になっちゃいますしね。
私は頭より先に体が動くタイプなんで、動かないということは欲しくないのかもとか、まだアナライズしているところなんですけど、息子のために二人目が欲しいのであって、自分のためではないのかもしれないです。
子どもへの告知はヘビィな課題
――卵子提供については、いつかお子さんに伝える予定ですか?
こりんご すでに「卵を貰ってお腹にいれたんだよ」というような事前準備的告知はしてはいるんですけれど、2~3歳では明確には理解しきれない年齢ですしね。
日本人の卵子提供者、ドナーさんの場合、子どもや親との面会に「NO」という方がほぼ100%で、私の日本人のドナーさんも案の定NOだったので、息子はバイオロジカルマザーには一生会えないんですね。そのことも含めて、早いうちに子どもには説明しようと考えています。
子どもへの告知については、卵子提供を受けた方にとってヘビーな課題だと思います。
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――日本だと「血のつながり」が重視される傾向が強いですが、卵子提供を受けたこりんごさんでも、DNAについて考えてしまう瞬間はありますか。
こりんご 産休・育休に入るとき会社に提出する書類があったんですけど、「誰のための育休か?」というチェックボックスに、「Biological Child(実子)」「Step Child(義理の子ども)」「Foster Child(里子)」「Adopted Child(養子)」と選択肢があったんですね。
で、「Biological Child」という文字を見たとき、ウッとなってしまって。
――日本語訳の「実子」よりさらに突きつけられるものがありそうですね。
こりんご 「Biological Child」って書かれちゃうと、生物学的なつながりを証明せよ、って言われているような気がして、瞬時にチェックを入れられなかったんですよね。
ふだん子どもと一緒にいるときは、卵子提供を受けたことなんて一切思い出さないんですけど。
――時々、思い出させるような出来事が?
こりんご そういう公的な書類もそうですし、今後は「ママに似てないね」と言われることもあるかもしれない。
まぁ、親子で似ていない人たちもいるので、そこまでは気にしていませんけれど。逆に、卵子提供とは知らずに「ママに似てるね」って言われると嬉しいけれど、遺伝子繋がってないんだよなって思い返したりして、そういう場面で、いちいち「卵子提供だった」と振り返らされることはあります。
――なるほど。
いつどうやって産むかを他人が押し付けてくるのはおかしい
こりんご でも、自分の決断を思い返してみると、最初は自分と血のつながった子どもがほしくて、何百万と不妊治療に費やして。でも、それが叶わないとわかって卵子提供に踏み切って。
なんで最後に卵子提供を選んだのかと言えば、自分の遺伝子を残したい気持ち以上に、子どもを身ごもる体験をして、自分で育ててみたい気持ちが強かったからなんですよね。私の選択肢に最初から養子縁組がなかったことも、まさにそういうことなんです。
――「卵子提供を受けた」と言うと、「親を必要としている子どもはたくさんいるのに、人の卵を使うなんてけしからん!」みたいな声もあるそうですけど。
こりんご 「人様の卵をもらうくらいなら養子縁組すべき」みたいなコメントはしょっちゅうありますね。
一見もっともらしく聞こえますけど、「卵子提供=悪」という決めつけもどうかと思いますし、いつどうやって産むかという選択を他人が押し付けてくるのはおかしいよね、と。
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――日本で卵子提供の法整備はまだされていませんが、日本の不妊治療に思うことはありますか。
こりんご こんなに卵子提供に対する風当たりが強い社会ですから、そりゃあそうだろうなと思いますね。
一方で、私は卵子提供をおすすめしているわけではなくて。とにかく若い方にお伝えしたいのは、「妊娠を考えているなら1秒でも早く動きましょう」ということでして。
――「動く」とは具体的にはどんなことですか?
こりんご 私は高齢妊娠・高齢出産を推奨するために情報発信してるわけじゃなくて、早いうちから不妊や不妊治療について学んで理解して、後悔のないライフプランを立ててもらいたくてYouTubeやブログをやってるんですね。というと聞こえは良すぎますが、実際は私の人生の記録を配信しているだけなんですけどね。
でもそこから、私みたいに遠回りしないで子供を授かれるような注意勧告にもなるし、遠回りしちゃっても、結構楽しく高齢出産して高齢育児できますよって、いろんな世代の人にも届けばいいなと。
なので、シングルの方で将来、子供を望むのであればすぐに卵子凍結をしてほしいですし、パートナーがいる方ならお互い検査に行ったり、受精卵の凍結とかも含めて、妊活をはじめてほしいなと思います。
2023年7月マタニティウェディング in 軽井沢「お盛んですね」みたいなコメントが…日本のセックスレス問題
――妊活というと、日本ではセックスレスが世界各国に比べても深刻と言われています。ニューヨークではどうですか。
こりんご 日本に比べたら、アメリカでは、年齢問わず熟年カップルでもセックスしている人が圧倒的に多いと思いますね。私のお友だちで60歳の方がいるんですけど、その方も定期的にセックスしていて、「セックスレス撲滅運動」もしてますよ。
で、その方に言われたのは、日本の添い寝文化がセックスレスを助長しているという話で。
――日本では子どもと川の字になって寝るのは普通ですけど、夫婦の間に子供を挟んで寝るからセックスの機会が減るという理屈ですか。
こりんご 我が家も子ども部屋と寝室は別にしたかったんですけど、これまで住んでいたブルックリンのアパートが狭すぎてそれも叶わず、最初は同じ部屋で、ベッドだけは別で、子供はクリブ(ベビーベッド)に寝ていました。ですが、成長してクリブから脱走するようになって以来、添い寝になってしまって。
加えて自分の性欲も減退の一方なんで、そのお友だちにもいつも怒られてます(笑)。ただやっぱり今後の夫婦生活を考えるとさみしいから、話し合わないとね、と夫とは言ってますね。
日本のセックスレスを感じる瞬間と言えば、私の動画に「お盛んですね」みたいなコメントがつくことで。
――こりんごさんが高齢妊娠のことを発信しているからですか?
こりんご そうそう。私の動画をちゃんと見れば卵子提供で授かった子どもだってわかるんですけど、「49歳で妊娠」みたいなキャッチコピーだけにフォーカスする人だと、「お盛んですね」になるみたいで。
で、そのコメント自体がまさに日本のセックスレスを表していたというか、「49歳でまだセックスしてるなんていやらしい」みたいな、すごく恥ずかしいみたいなニュアンスで書かれていたんです。歳をとってセックスすることが日本では恥ずかしいことになっちゃうんだと、ちょっと驚きました。
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――今後はお仕事にも復帰される予定ですか?
こりんご そろそろ復帰しないといけないなとは思ってるんですけど、本当のことをいえば、今やってる配信とかがビジネスになるといいんですけどね。
私の配信とかブログを見て連絡をくれる方が結構いるので、今、クローズドの卵子提供コミュニティも立ち上げていて。
――皆さん、卵子提供の情報を求めてる?
こりんご 卵子提供について知りたい人たちが最終的に私のブログにたどり着くケースが多いみたいで。それだけ日本は情報が少ないんだと思います。
私自身はただ自分の記録としてやってただけですけど、それが誰かの役に立てるんだったら嬉しいので、同じ境遇にいる人たちが交流するプラットフォームを育てていければいいなと。あとはマネタイズもできれば完璧なんですけどね(笑)。
他人の言葉であなたの行動を変える必要はまったくない
――将来、息子さんにもこりんごさんの発信を見てほしいですか。
こりんご 子どもには卵子提供という告知しなきゃいけないこともあるのに、すでに顔出しもしちゃってて反省もあるし、今後のスタイルも考えなきゃいけないなとは思ってて。
でも、私が息子と一緒にいられる時間は若いママたちより限られているのも確かなので、残してある動画を見てもらって、母ちゃんはこんな気持ちだったんだなとか、伝わるものがあればいいなと思ってます。
とにかく息子のお陰で子宮も使えたし、出産もできたし、子育てもさせてもらえて、本当に感謝しかないですね。
――最後に、子作りを考えている方にメッセージがあればお願いします。
こりんご 自分の決断が一番大切だし、周りが何を言ってこようとも、他人の言葉であなたの行動を変える必要はまったくないよ、というのは伝えたいですね。
産む・産まないで悩む人は本当に多いと思います。ニューヨークにもたくさんシングルの女性がいて、自分の望むキャリアは築き上げられたけど、「子どもを持たなかったことだけは後悔してる」という方にも何人かお会いしました。
どちらを選んでももちろんいいんですけど、同じ人生なら、悔いなく生きたいじゃないですか。迷っているなら、まず動いてみてほしいです。
最初から記事を読む 「家族から『死にたいのか!』と」28歳で歯科衛生士を辞め渡米…49歳で卵子提供・高齢出産した女性(52)が明かす「敷かれたレールを外れた理由」記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。