ビットコイン、急騰して11万4000ドル超え──トレーダーは「上昇の10月」を見据える(CoinDesk Japan)
1:39 配信
週末遅くに始まった急騰はアメリカの29日午前の取引時間まで続き、先週26日に10万9000ドル(約1581万円、1ドル145円換算)を下回っていたビットコイン(BTC)は11万4000ドルを回復した。この動きは、金や多くの株価指数を連日のように史上最高値更新に導いたマクロ経済要因、つまり欧米全体の低金利に暗号資産(仮想通貨)トレーダーが反応していることを示唆している。また、季節要因も示唆されており、投資家の関心は歴史的な9月の弱さから10月へと移っている。10月は、価格が上昇する傾向から「上昇の10月(Uptober)」と呼ばれることもある。ビットコインやその他の主要暗号資産、中でもイーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)は過去24時間でいずれも約4%上昇した。金は1.2%上昇して1オンスあたり3850ドル(約56万円)を超え、史上最高値をまたしても更新。ナスダックは0.8%上昇した。暗号資産関連銘柄では、コインベース(Coinbase)とステーブルコイン発行企業サークル(Circle)がそれぞれ5.7%と7.7%上昇した。先週の暴落で特に大きな打撃を受けたマイナーは大幅な回復を見せている。IRENやサイファーマイニング(Cipher Mining)といった人工知能(AI)やハイパフォーマンスコンピューティングに特化した株式は、ともに4%上昇している。純粋なビットコインマイニングと保有量増加に重点を置くマラホールディングス(MARA Holdings)は8%上昇した。トレーディング会社ウィンセント(Wincent)のシニアディレクター、ポール・ハワード(Paul Howard)氏は、マクロ経済環境がやや不透明であるにもかかわらず、小幅な反発は驚くべきことではないと述べた。ハワード氏はメモの中で、「10万ドル水準でビットコインを買い遅れた機関投資家と個人投資家が11万ドルを支えている」と指摘。「来月、より大きなマクロ経済の動きが見られるまでは、依然として下落リスクがある」と述べた。
3日の雇用統計は、トレーダーに労働市場のより明確な見通しを提供する可能性があるが、差し迫った政府機関閉鎖によって発表が遅れる恐れがある。政府閉鎖が長引けば、連邦準備制度理事会(FRB)は重要な経済データにアクセスできないまま、10月28~29日に次の政策会合を開催せざるを得なくなる可能性がある。
10月は暗号資産市場に安堵をもたらすか
LMAXグループ(LMAX Group)の市場ストラテジスト、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は、例年低調な9月が過ぎてビットコイン史上最も好調な2か月間へと向かう中、季節性は「ビットコインにとって有利な方向に急激に転じようとしている」と述べた。2013年以降、ビットコインは10月に平均22%のリターンを記録しており、11月には同期間に46%というさらに高いリターンを記録したとクルーガー氏は指摘した。クルーガー氏は、「普及と規制が大きく進展した暗号資産にとって画期的な年であることを背景に、こうした季節的な追い風によって、年末までにビットコインが以前の史上最高値に挑戦し、さらにはそれを上回るための舞台が整えられた可能性がある」と述べた。
|翻訳・編集:林理南|画像:CoinDesk JAPAN|原文:Bitcoin Surges Above $114K as Traders Look Ahead to 'Uptober'
CoinDesk Japan
最終更新:9/30(火) 1:39