佐々木朗希のメンタルは今…ドジャースのメンタルコーチに直撃、大谷翔平や山本由伸も時間を要した文化への適応
ドジャース・佐々木朗希投手(23)は右肩のインピンジメント症候群で5月13日に負傷者リスト(IL)入りしてから約1か月半が経過したが、軽いキャッチボールのみで復帰のメドが立っていない。首脳陣からは体力不足に加えて、精神面の課題を指摘する声も出ている。23歳のメンタル面をド軍のB・ウォーカーメンタルコーチが語った。(取材・村山 みち)
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開幕ローテ入りした佐々木は8登板で1勝1敗、防御率4・72と波に乗れないまま右肩痛でIL入り。ロバーツ監督は今季の構想外を示唆したこともあったが、ウォーカーコーチは23歳という若さから長期的な視点で見て心配はしていない。
「ラテン系でも外国人がメジャーに来ると大きな文化的な適応が必要となる。コーチの接し方すら異なる。ボールが大きく縫い目が小さいという違いなど、複数の要素もある。野球の側面を除いても、文化への適応には長い時間がかかる」
大谷や山本も適応に時間を要した。
「翔平もいきなり活躍をしたわけではない。朗希はおそらく、翔平が米国に来た時と非常に似た適応期間を経験している。若手に言うことは『周囲と自分を比較するのはよくない』ということ。みんな自分を翔平、ベッツ、フリーマン、カーショーら完成された選手と比べてしまう。『翔平やフリーマンも君たちの年齢の頃は今のような姿ではなかった』とね。山本だってメジャーデビュー戦は1回KOで、約3か月間の離脱もあった」
佐々木はロッテ時代から違和感があったと明かした。首脳陣との意思疎通を問題視する声もあった。
「誰かを本当に知るまでは誰のことも信頼するのは難しい。本当に反応できる相手を見つけようとしている最中に、競技を最高レベルでこなそうとするのは、誰にも大きな適応過程となる」
検査で骨や筋肉、じん帯などに問題はなく、ロバーツ監督は「自信の問題」と精神面について指摘した。過酷なマイナーで心身を鍛え直すべきとの声もある。
「心理的には『力がないから落とされた』とも、『自分を見つめ直し、自信を築き上げる機会が与えられた』とも考えられる。自分がどう見るかが重要」
朗希に足りないのは何か。
「最大の信念の根拠は経験。メジャーに来たばかりでまだその経験がない。山本は昨季1年間で『抑え方が分かる』という状態になった。朗希もいつかはそこにたどりつくはず。そのために経験が必要だ」
故障とも闘う中、精神面は成長していると説く。
「来年にはもっと大きなことを成し遂げると信じている。彼はすでに適応しており、メジャーがどういうものかを理解しているからだ。来季、完全に準備を整えた状態でシーズンに臨むことができるだろう」
8月下旬復帰!? 〇…佐々木がメジャーに復帰するにはブルペン、ライブBP、マイナー登板とステップを踏んでいく必要がある。ブルペン再開からメジャー復帰には最低でも1か月ほどかかる。「ABEMA」独占インタビュー企画では、一時は今季構想外の可能性を示唆していたロバーツ監督が「私の希望としては8月。8月下旬に戻ってくると期待している」と話している。
次ページに動画 佐々木朗希がキャッチボール