総務省、5Gの26GHz帯オークション実施へ(ケータイ Watch)

 総務省の電波監理審議会は、令和7年度版の「周波数再編アクションプラン(令和7年度版)」案を公開した。同案に対するパブリックコメントを10月14日まで受け付けている。 【この記事に関する別の画像を見る】  総務省では、電波資源の有効利用を促進しつつ、新たな電波利用システム導入や周波数の需要増加に対応するために、平成16年に周波数再編アクションプランを策定して以来、毎年見直しつつ公表している。  近年は、令和5年11月に「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会」を開催したほか、令和6年8月に取りまとめた報告書では、WX(ワイヤレストランスフォーメーション)推進戦略を打ち出し、2040年末に向けた帯域確保の目標を示している。 ■ 2040年の無線トラフィックは合計で約70GHzが必要に  令和6年8月に取りまとめられた「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会報告書」では、2040年の無線トラフィックを携帯電話網・NTN・Wi-Fiで収容する場合、合計で約70GHz幅が必要と試算している。  このうち、携帯電話網では約42.5GHz幅、6GHz以下の帯域で1.8GHz幅、6GHzから30GHzのミッドバンド帯で約4.5GHz幅、30GHz幅を超えるハイエンド帯で約36.2GHz幅の確保を目指す。  NTN(非地上系ネットワーク)では約16.7GHz幅が必要で、ローバンドで約0.2GHz幅、ミッドバンドで約14.2GHz、ハイバンドで約2.3GHz幅の確保を目指す。また、Wi-Fiの周波数は13.9GHz幅が必要で、ローバンドで約0.6GHz、ミッドバンドで約2.5GHz、ハイバンドで約10.8GHzの確保を目指すという。  総務省では、2040年末までに確保を要する帯域幅に対して、令和6年度中に0.34GHz幅の帯域を確保している。令和6年度末の時点で確保済みの帯域は合計で約27GHz幅となり、2040年末までにさらに47GHz幅の確保を目指す。 ■ 26GHz帯はオークションで割り当てる方針  26GHz帯については、令和7年5月に実施した利用意向調査の結果を踏まえ、令和7年度中を目処に、5Gに係る技術基準およびオークションの実施に向けた指針を整備し、既存無線システムと共用可能性が高い周波数をオークション方式で5Gに割り当てすることを目指す。  また、今後の5G利用の需要動向などを踏まえ、26GHz帯の既存無線システムに割り当て済みの周波数について、5年以内を目処に既存無線システムを他の周波数帯へ移行させるなどを前提として、5Gに割り当てすることを目指す。  40GHz帯については、令和7年5月の利用動向調査の結果、早期に割り当てを希望する事業者がいなかったため、技術動向や国内外の需要動向などを勘案して割り当て時期などを検討する。 ■ 無線LANの高度化、周波数拡張  無線LANの高度化および周波数拡張は、6GHz帯のナローバンドデバイスでの利用について、諸外国の動向に留意しながら周波数共用の検討を推進する。  また、6GHz帯の無線LANおよび、6.5GHz帯(6425~7125MHz)への屋外利用を含む帯域の拡張にかかる技術要件について、令和6年度までの検討結果を踏まえ、SPモード無線LANの実機による検証、既存無線システムとの周波数共用のために必要なAFC(Automated Frequency Coordination)システムの技術要件および運用に関する基本的な考え方を整理し、今年度中を目処に取りまとめる。  この取りまとめにあたっては、2023年世界無線通信会議(WRC-23)においてIMTとして特定された周波数帯(7025〜7125MHz)に留意する。 ■ NTN(非地上系ネットワーク)の高度利用  HAPSの国内導入に向けて必要な技術基準の策定を目的に、固定系リンクおよび移動系リンクに関する無線システムについて、他の無線システムとの周波数共用に係る技術条件などについて検討を進め、令和7年度を目処に整備制度を行う。  700MHz帯を利用する衛星ダイレクト通信システムの導入のため、既存の無線システムとの周波数共用にかかる技術条件などについて検討し、令和8年中を目処に制度整備を行う。  5Gの上空利用の拡大に向け、3.7GHz帯および4.5GHz帯について、他の無線システムなどへの混信を防止しつつ、ドローンなどによる上空利用を可能とするための技術的条件の検討を引き続き行う。 ■ Beyond 5Gの推進  Beyond 5Gの実現に向け、次世代移動通信システム(6G)、オール光ネットワーク(APN)分野、非地上系ネットワーク(NTN)などの取り組みを推進する。  中でも、6Gについては移動通信システムが社会経済活動や国民生活において必要不可欠であり、今後もモバイルトラフィックの増大や利用の多様化が見込まれている。  日本においては、Sub-6やミリ波の周波数やSA対応基地局の活用拡大などを通じ、現行の5Gの普及展開を推進すると共に、WRC-27においてIMT特定が議題となる周波数4400~4800MHz、7125~8400MHz、14.8~15.35GHz)について、諸外国の動向や利用ニーズなどを踏まえ、WRC-27における日本の対応方針に反映する。  オール光ネットワーク(APN)は、複数事業者間をシームレスにつなぐサービスを令和12年頃に国内に本格導入すると共に、関連製品・サービスの海外展開を目指す。これに向け、複数事業者間をシームレスに繋ぐ共通技術基盤の研究開発を行い、令和10年頃に確立する。  NTN分野では、令和8年中のHAPS国内導入を支援するほか、海外展開などを支援していく。また、衛星通信についてグローバル提供されるサービスを円滑に国内導入できるように制度整備するほか、研究開発を支援する。

ケータイ Watch,島田 純

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