トランプ大統領、今週中にも一部の国と貿易合意の可能性と示唆
トランプ米大統領は4日、一部の国との貿易合意が今週中にまとまる可能性があると示唆した。米国の高関税を回避したい貿易相手国にとっては事態打開の兆しとなる。
トランプ氏は、今週中に何らかの貿易合意がまとまる見込みはあるかとの記者団の質問に対し、「その可能性は十分にある」と答えた。具体的な国名には言及しなかった。
「多くの国々と交渉しているが、最終的には私自身が取引をまとめることになる。相手が決めるのではなく、私が決める」と、大統領専用機エアフォースワンの機内で発言。「あなた方は『いつ合意するのか』と同じ質問を繰り返すが、それは私次第であり、彼ら次第ではない」と語った。
トランプ氏はまた、政権当局者が自身の貿易政策の最大の標的となっている中国と交渉を行っていることも示唆した。
アジア諸国との交渉進展や米中間の緊張が緩和に向かう兆しを背景に、金融市場はこの2週間で落ち着きを取り戻しつつある。
トランプ氏の関税政策は中国に照準を定めている。現在、中国製品には最大145%の関税が課されている。これに対抗して中国も報復関税を課している。最近、中国側から歩み寄りの兆しも見られており、トランプ氏は4日に放映されたNBCのインタビューで、対中関税をいずれは引き下げることに積極的な姿勢を示した。
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トランプ氏はエアフォースワン機内での記者団の質問に対し、中国の習近平国家主席と今週中に話し合う予定はないと述べた。
中国商務省は先週、米国との通商協議の可能性を現在検討しているとの報道官談話を発表。米国との貿易交渉が行われていることを初めて公式に認めた。トランプ氏の側近らは既に複数の国と協議を進めているが、米政府高官らは、最終的には相手国に対して関税を課す意向であることを引き続き示唆している。
トランプ氏は4日、「ある時点で、私が一定の関税率を定めることになる」と発言。「今後2-3週間以内に私が取引をまとめることになるだろう」と述べた。
トランプ氏の広範囲の関税政策は、ここ数週間で世界の金融市場を混乱させ、景気後退への懸念を引き起こすとともに、ドルを圧迫している。
先週発表された米国の1-3月(第1四半期)国内総生産(GDP)速報値は2022年以来のマイナス成長となった。
バンス副大統領は先週のFOXニュースのインタビューで、インドが最初に貿易協定を結ぶ国の一つになる見込みだと発言。日本と韓国、そして「欧州の人々」との交渉も進行中だと話した。
原題:Trump Suggests Some Trade Deals May Come as Soon as This Week、Trump Says Trade Deals Could ‘Very Well’ Come This Week、Trump Says No Plans to Speak with China’s Xi This Week(抜粋)