U-18ワールドカップが開幕 早瀬朔の好救援でイタリアに競り勝ち開幕戦を制す

試合レポート

 9月5日、「ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ」(沖縄県で9月14日まで)が開幕。連覇を目指す侍ジャパンU-18代表が沖縄セルラースタジアム那覇で欧州王者のイタリアと対戦し4対1で競り勝った。

 いよいよ始まったU-18世代の世界一決定戦。試合に先立って行われたのは“国歌斉唱にファンの歌声を届ける”という新しいリモート応援施策 「United Anthem」 。海を越えて家族や友人、クラスメイトなど多くの人々の想いを歌声に乗せて届けることで、選手たちの試合へのさらなるモチベーション向上と、両国の友好関係の発展を目的としたプロジェクトだ。応募のあった音源をMIXした国歌が流れ、両国の選手たちは士気高く開幕戦に臨んだ。

 こうして始まった試合は、制球力の高さを買われて先発した森下翔太(創成館)がテンポよくストライクを投げ込み2死を取るが、3番打者に安打を打たれる。それでも相手4番でMLBのフィリーズと契約したパトリック・シルヴァをショートゴロに打ち取り、先制を許さなかった。  その裏、侍ジャパンは連続四球と犠打で1死二、三塁のチャンスを作るが、阿部葉太(横浜)と奥村頼人(横浜)が凡退し先制することはできなかった。 2回以降も森下は5者連続三振を奪うなどテンポ良くアウトを積み重ねていく。すると、3回裏に為永皓(横浜)の安打や2四球で作ったチャンスで、奥村頼人が四球を選び押し出しで先制に成功した。  だがその後は、イタリアの2番手左腕フィリッポ・ブルネッリを打ちあぐねて得点できずにいると、6回に森下が詰まった当たりながら2安打を許して1死一、三塁のピンチを招く。ここで森下はボテボテのサードゴロを打たせるが、為永の二塁への送球がワンバウンドとなり、オールセーフに(記録は為永の失策)。

 さらに勝ち越されるピンチであったが、ここで小倉全由監督は「森下のストレートに相手が合っていなかったので速い投手を起用しました」と早瀬朔(神村学園)を投入。マウンドを託された早瀬は「気持ちの面で絶対に負けないように」と145キロのストレートで見逃し三振を奪って2死に。続くシルヴァの三遊間を抜けようかという当たりは為永がダイビングキャッチし、二塁にも鋭い送球を送って3アウト。「僕の判断ミスで1点をあげて同点にしてしまったので、もう1回飛んでくると思っていました」と振り返る汚名返上の好プレーでピンチを脱した。

 するとその裏、坂本慎太郎(関東第一)のセンター前安打や2四球でチャンスを作ると、藤森海斗(明徳義塾)のピッチャーゴロが相手のエラーを誘い2者が生還。さらにカバーに入った相手右翼手の送球も逸れると一塁走者も生還。相手のミスで3点をもらい、これが勝ち越し点となった。  早瀬は最終7回、先頭打者こそ四球に出すが、後続を併殺打とライトフライに抑えて試合を締めた。

 辛くも競り勝っての勝利に小倉監督は「負け試合でもある。もっとしつこくやっていかないといけません」と兜の緒を締めた。

 オープニングラウンド第2戦は9月6日18時半から沖縄セルラースタジアム那覇で韓国と対戦。プエルトリコにもこの日勝利している強敵を相手に侍ジャパンは甲子園優勝投手の2年生左腕・末吉良丞(沖縄尚学)、韓国は最速157キロ右腕のパク・ジュンヒョンが先発。MLBのスカウトによれば「スピードはあるがコントロールは良くない」という情報もあるパク・ジュンヒョンだけに、初戦同様に粘り強く戦っていきたい。

監督・選手コメント

小倉全由監督

「正直に言って厳しい試合でした。甘いボールを打たされず好きなタイミングで、と言っていたのですが、なかなか難しかったですね。しっかり守ってくれたのが大きかったです。早瀬の速球が相手の打撃をさせなかったですね。負けなかったことは良かったですが、選手それぞれの悔しさや苦しさを次の試合に活かしていきたいです」

早瀬朔(神村学園)

「森下がすごく良い投球をしてくれていたので、それを引き継ごうと思いました。気持ちの面で負けずに絶対に抑えようと投げました。(無失点は)野手あってこそ。感謝したいです。(今後も)チームが苦しんでいる時でも流れを持って来られるような投球をしていきたいです」

森下翔太(創成館)

「自分の投球をして良い流れを持ってこようと思いました。イタリア代表はどんな球にもしっかりついてきていました。最初は荒れ気味になってしまいましたが、体の開きやリリースポイントを意識して、回を追うごとに修正ができました」

特設サイト出場選手チケット

大会期間

2025年9月5日~9月14日

オープニングラウンド(グループA) 9月5日(金)18:30 日本 4 - 1 イタリア 9月6日(土)18:30 日本 - 韓国 9月7日(日)14:00 キューバ - 日本 9月8日(月)18:30 日本 - 南アフリカ

9月9日(火)18:30 プエルトリコ - 日本

スーパーラウンド 9月11日~9月13日

3位決定戦・決勝 9月14日

開催会場

沖縄セルラースタジアム那覇、糸満市西崎球場

出場する国と地域

グループA 日本、韓国、プエルトリコ、キューバ、イタリア、南アフリカ グループB

チャイニーズ・タイペイ、アメリカ、パナマ、オーストラリア、ドイツ、中国

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