米10年国債利回りは年内に3%に低下も、早期利下げの公算大-TD

Ruth Carson

  • TDは米利下げ開始時期の予想を7月から6月に前倒し
  • 26年5月まで各会合で利下げへ、米リセッション確率は50%

貿易摩擦の悪化で米金融当局が予想よりも早期に利下げに踏み切る公算が大きいため、米10年国債利回りは年末までに3%に低下する可能性がある。TDセキュリティーズがこう予想した。

  TDのオスカー・ムニョス氏らストラテジストは6日付のリポートで、「われわれは連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ開始時期の予想を7月から6月に前倒しし、2026年5月まで各会合で利下げを行うと予測する」と述べ、「米経済がリセッション(景気後退)に陥る確率は50%あると考える」と付け加えた。

  同社は以前、25年末の10年債利回りを3.8%と予測していた。

  トランプ米大統領が打ち出した一連の関税措置が世界の市場を揺るがす中、ゴールドマン・サックス・グループやUBSグローバル・ウェルス・マネジメントなども、米利下げ時期の見通しを前倒しした。金利スワップ市場では、トランプ大統領の相互関税発表前日の4月1日時点で年内3回程度の米利下げが見込まれていたが、現在は4回以上を織り込んでいる。

  世界的な景気後退懸念で安全資産に投資マネーが殺到し、米国債はここ1週間で大きな勝者に浮上。10年債利回りは1月の高水準から90ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く低下し、7日のアジア市場で3.92%を付けた。3%に下がれば22年8月以来の低水準となる。

原題:US Treasury 10-Year Yield May Fall to 3% By Year-End, TD Says(抜粋)

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