米、関税免除当面なし 雇用の国内回帰には痛み伴う=USTR代表

米国通商代表部(USTR)のグリア代表は8日、トランプ大統領の広範な関税に対する免除措置は短期的には想定されていないと言明した。(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)

[ワシントン 8日 ロイター] - 米国通商代表部(USTR)のグリア代表は8日、トランプ大統領の広範な関税に対する免除措置は短期的には想定されていないと言明した。また、製造業の雇用を国内に戻すには企業に多少の痛みも必要だとした。

グリア代表は上院財政委員会で証言し、「トランプ大統領は、免除や例外を設けるつもりは当面ないと明確にしている」と述べた。貿易相手国との交渉については、特定の期限はないとした。

中国については「残念ながら、長年にわたり市場アクセスに関して独自の道を選んでいるようだ」とし、「中国は報復措置を発表することを選んだ。他国は相互性への道を見いだしたいという意向を示しているが、中国はそうではない」と述べた。

<各国との交渉>

グリア氏は、トランプ政権は50カ国以上と交渉しており、適用除外措置を得るためには貿易相手国が関税および非関税障壁を引き下げ、対米貿易をより均衡させる必要があると指摘。ほとんどの貿易相手国が報復措置を取らないことを選択したことは「良いニュース」だと述べた。

貿易交渉のスケジュールを明らかにすることは拒否したが、USTRは夜間や週末も含めて迅速に作業を進めていると明らかにした。「貿易赤字は何十年もかけて形成されてきたものであり、一夜にして解決できるものではない」と語った。

<関税への不満>

関税を巡っては、民主党議員からグリア氏に厳しい声が上がった。農業州出身の共和党議員らも関税を批判した。

ニューメキシコ州選出のベン・レイ・ルジャン議員(民主党)は、関税導入は物価上昇と株価下落を通じて家庭や企業に打撃を与えることを認めるようグリア氏に迫った。

グリア氏はこれに対し、懸念はウォール街よりもむしろメインストリート(金融以外の産業あるいは米国各地)にあると反論。「これまでと同じことを続けることはできない。企業がサプライチェーンの調整に苦労しているなら、われわれは対処しなければならない」と語った。

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