ゴールドマンのルブナー氏、米株式市場の「調整ウオッチ」入りを宣言
- 週明けに資金フローの力学が激変へ、調整相場転換を警戒-リポート
- 納税控えた3月にリテール投資家は失速、年金基金も「燃料切れ」に
米株式市場は転じて調整相場に入る可能性があると、ゴールドマン・サックス・グループのグローバルマーケット担当マネジングディレクター兼戦術スペシャリストのスコット・ルブナー氏は指摘した。リテール投資家と機関投資家の買いが失速しているという。
「資金フローの力学は週明けに劇的に変化する。私は調整ウオッチに入っている」とルブナー氏は20日付の顧客リポートに記した。
前日の米株式市場では、関税や米金利を巡る不確実性にもかかわらずS&P500種株価指数が過去最高値を更新。堅調な企業決算と、リテール投資家および機関投資家からのマネー流入が、相場を大きく浮揚させてきた。しかしこうした力学が24日から変わり始める可能性があるというのが、ルブナー氏の分析だ。
リテールトレーダーからの需要は今年、記録的なペースで米株式市場に積み上がっているが、これが3月の納税シーズンを控えて減速する見通しだという。年金基金からのフローも季節的なトレンドのために「燃料切れ」になり得ると、ルブナー氏は指摘。1月と2月は毎年、資産配分による恩恵で強い時期となるが、3月にマネーの流入は減速する傾向がある。
トレンド追随型のシステマティックファンド全般でも、弱気なポジショニングが見受けられる。商品投資顧問業者(CTA)は向こう1カ月に相場が下げた場合、推計で約610億ドル(9兆1000億円)相当の米株を売る。逆に強気シナリオの場合に買う米株は、推計でわずか約100億ドルだ。
加えてオプション市場のポジショニングも、幾分かのボラティリティー(変動性)をうかがわせる。ゴールドマンの推計によれば、S&P500種のオプションでは98億ドル相当のロングガンマが建てられている。これは押し目で買われる時にバッファーの役割を果たす。しかしゴールドマンの指数取引チームの推計では、このロングガンマの50%が21日にロールオフを迎え、週明けの市場はもっと自由に動けるようになる。
原題:Goldman’s Rubner Sees Correction in US Stocks Amid Weaker Flows(抜粋)