XやチャットGPTが一時ダウン、クラウドフレアが障害について謝罪

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「X」や「チャットGPT」などの有名サイトが18日、多くの人にとって利用できなくなった。大手インターネット・インフラ企業「クラウドフレア」に影響を及ぼした問題が原因だった。

グリニッジ標準時午前11時半(日本時間午後8時半)過ぎから、両サイトを含む多くのサイトのユーザーたちが、障害監視サイト「ダウンディテクター」に問題を報告し始めた。

クラウドフレアによると、脅威となるトラフィックを処理するための設定ファイルが意図したとおりに動作せず、広範なサービスのトラフィックを処理するソフトウェアの「クラッシュを引き起こした」ため、「重大な障害」が発生したという。

同社は、「本日、利用者のみなさんを失望させたことについて、利用者とインターネット全般に対しておわびする」との声明を発表。「クラウドフレアのサービスの重要性を考えると、いかなる機能停止も容認できない」と付け加えた。

同社はまた、今回の問題は解決されたが、一部のサービスがオンラインに戻る際にエラーが発生する可能性があるとした。

機能停止の影響は、さまざまなアプリやウェブサイトに及んだ。

「グラインダー」、「ズーム」、「キャンバ」などのユーザーは、サービスにアクセスしようとした際に遅延や技術的な問題が発生したと報告した。

ソーシャルメディア「X」は、ホームページにメッセージを掲載。クラウドフレアでの「エラー」により、Xの内部サーバーに問題が生じているとした。

チャットGPTのサイトもエラーメッセージを表示させた。

クラウドフレアは、世界中でインターネット・セキュリティーを提供する巨大プロバイダーだ。サイトへの接続がボットではなく人間による訪問かをチェックするなど、さまざまなサービスを展開している。

クラウドフレア社によると、世界中の全ウェブサイトの2割が、何らかの形で同社のサービスを利用しているという。

多くのユーザーが問題を報告するサイト「ダウンディテクター」さえ今回、障害の影響を受け、エラーメッセージを表示させた。

ウェブサービスの接続を監視している「ネットブロックス」のディレクター、アルプ・トーカー氏は、今回の機能停止は「クラウドフレアのインフラに壊滅的な障害が発生したことを示す」とBBCに説明した。

大量のデータやリクエストを送信してサイトをダウンさせようとする悪意の攻撃から、数々のサイトを守ることがクラウドフレアの目的だと、トーカー氏は強調。そのうえで、「ここ数年、サービス拒否攻撃を避けるため、インターネットのかなりの部分がいかにクラウドフレアのインフラを頼りにしているか、クラウドフレアの陰に隠れなくてはならないか。それがとても印象的だ」とトーカー氏は述べた。

しかしその結果、および同社のサービスの利便性の高さゆえに、同社が「インターネット最大の単一障害点の一つ」になってしまったと、トーカー氏は話した。

クラウドフレアは、今回の問題は技術的な問題によるものだと強調。声明で、「今回のことが攻撃の結果だとか、悪意ある行為によって引き起こされたなどと示す証拠はない。それは明確にしておく」とした。

それから間もなく、別の大手ウェブサービス・プロバイダーの「マイクロソフト・アジュール」も影響を受けた。

セキュリティー企業ESETのグローバル・サイバーセキュリティー・アドバイザー、ジェイク・ムーア氏は、「ここ数カ月に発生した障害は、もろいネットワークに依存していることを改めて浮き彫りにした」と指摘。

「企業は自社のウェブサイトやサービスのホスティングで、他に多くの選択肢がないために、クラウドフレアやマイクロソフト、アマゾンといったところに頼らざるを得ないことが多い」と話した。

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