スマホメーカーの「キャリア離れ」が進行中!(週プレNEWS)
このほかにもSuicaをはじめとする交通系ICカードなどを利用するための機能「おサイフケータイ」も必要。そのため非接触規格の「FeliCa」を端末に実装しますが、これも国際的にはマイナーな規格です。 キャリアに採用されるには、周波数やおサイフケータイなど、メーカーは別途〝日本仕様〟として開発を行なうことになるのです。 ――つまり、キャリアの条件が〝ガラパゴス仕様〟となっていると? 法林 はい。納入台数が減少したことで、こういった条件がメーカーにとって大きな負担となってきているのです。特に世界中で端末を販売する海外メーカーには日本仕様のハードルが高い。 なので、最近はメーカーがキャリア以外の販路を求め、SIMフリーモデルを積極的に販売するようになってきました。 ――もう、メーカー的にキャリアへの忖度は必要ないと? 法林 コロナ禍や最近の円安を経てだいぶ状況が変わってきました。特に新製品の発表会です。Apple以外のメーカーはこれまでキャリア主導の〝新製品発表会〟でメディアに公開してきました。 しかし、最近はメーカーによるグローバルの発表会後に、「◯◯の新モデルを予約スタート!」とキャリアが発表するのがほとんど。メーカーの発言力が強くなってきています。 ――それもあって、メーカーはSIMフリーモデルを売りやすくなってきたのですね。 法林 メーカーがSIMフリーモデルを販売する大きな理由のひとつにユーザーの声があります。価格面ではSIMフリーモデルのほうがキャリアモデルよりも安く、それを望んでいたユーザーの声を反映したのが大きいですね。 ■メーカー直販で買うメリットとは? ――確かに、キャリアモデルとSIMフリーモデルの価格をチェックすると、数万円の開きがあります。これは、どういうことなのでしょうか? 法林 キャリアモデルの価格が高くなるのは、メーカーが各種条件をクリアするための開発費用、そしてキャリアの利益分も上乗せされているからです。