ゴールドマン、ドイツ成長率予測引き上げ-ECB利下げ予想は後退

Malcolm Scott

  • ドイツ経済は自国の防衛費増額計画によって景気が上向くと想定
  • ECB7月会合での利下げ、もはや想定せず-成長率押し上げで

ドイツ経済は自国の防衛費増額計画によって景気が上向き、それが近隣国にも波及するほか、ユーロ圏の他の国も国防費増加に動くと、ゴールドマン・サックス・グループは予想している。

  同行は、成長率が押し上げられる見通しを踏まえ、欧州中央銀行(ECB)7月会合での利下げをもはや想定していない。ただ成長鈍化やディスインフレの進行、貿易による下振れリスクを考慮し、4月と6月の両会合でそれぞれ0.25ポイントの利下げをなお見込む。

  スベン・ヤリ・ステーン氏らゴールドマンのエコノミストは、ドイツ国内総生産(GDP)成長率予測を2025年は0.2ポイント引き上げて0.2%、26年は0.5ポイント上方修正して1.5%とした。また近隣国への波及効果を考慮に入れ、ユーロ圏の成長率見通しは25年に0.1ポイント、26年は0.2ポイント引き上げてそれぞれ0.8%、1.3%とした。

  ドイツは厳格な政府借り入れ制限を緩和する劇的な政策転換で、防衛およびインフラ投資に数千億ユーロを拠出する。

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  同行エコノミストは、「ドイツの公共支出拡大が加速すれば、成長はさらに高まるかもしれないが、欧州連合(EU)の対米輸出品全般に関税がかけられる可能性があるため、短期的には成長の下振れリスクがあると引き続き考えている」とリポートで論じた。

原題:Goldman Sees Faster German Growth on Fiscal Push, Fewer ECB Cuts(抜粋)

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