衆議院選挙:埼玉注目選挙区の終盤情勢…14区は石井と鈴木が一歩も譲らず : 読売新聞

 村井と武正が互角の戦いを繰り広げている。村井は岸田前首相、小泉進次郎党選対委員長が応援に駆けつけ、自民支持層の8割近くを固めた。武正は立民支持層の9割を固め、無党派層の支持も3割に伸ばした。

埼玉3区(川口市の一部、越谷市)

 黄川田と竹内が接戦の色合いを深めている。黄川田は自民支持層の8割、公明支持層の7割半ばを固めた。竹内は立民支持層の8割半ばを固め、29歳以下の若年層の支持を1割半ばから4割弱に広げている。

埼玉7区(川越市、富士見市)

 中野と小宮山がしのぎを削る展開が続いている。中野は自民支持層の7割半ば、公明支持層の7割強を固めたが、無党派層の支持が集まっていない。小宮山は立民支持層の9割弱を固めるなど政権批判票を積み増している。

埼玉8区(所沢市、ふじみ野市、三芳町)

 序盤では柴山が先行していたが、市来が追い上げ、横並びで終盤にもつれ込んだ。柴山は自民支持層の8割強、公明支持層の8割弱を固めた。市来は立民支持層の9割弱をまとめた。無党派層への浸透でも優位に立つ。

埼玉9区(飯能市、狭山市、入間市など)

 杉村と大塚が接戦の度合いを強め、一進一退の攻防が続く。杉村は立民支持層の9割を固めた。大塚は自民支持層の8割弱、公明支持層の7割をそれぞれまとめるが、無党派層からの支持を広げられないでいる。

埼玉10区(東松山市、坂戸市、鶴ヶ島市など)

 坂本が混戦からやや抜け出した。坂本は立民支持層の9割強を固めたほか、無党派層の4割強に浸透。山口は小泉進次郎党選対委員長が応援に入った影響もあり、自民支持層の7割強を固めたが、無党派層で伸び悩む。

埼玉13区(久喜市、蓮田市、幸手市など)

 三ツ林と橋本幹が横一線で争っている。政治資金問題で党の公認を得られなかった三ツ林は自民支持層の5割強しかまとめられていない。橋本幹は国民支持層の8割半ばを固め、無党派層への浸透でも優位に立つ。

埼玉14区(草加市、八潮市、三郷市)

 石井と鈴木が一歩も譲らず、終盤にもつれ込んだ。党代表の石井は自民支持層や無党派層の支持が伸び悩み、他候補の応援を控えて選挙区内の活動に専念する。鈴木は国民支持層の9割、立民支持層の5割をまとめている。

埼玉15区(さいたま市桜・南区、蕨市など)

 田中と高木がデッドヒートを繰り広げる。田中は自民支持層の7割半ば、公明支持層の8割を固め、序盤から積み増した。党改革を訴えるが、無党派層の支持は高木に流れている。高木は立民支持層の8割弱を押さえた。

埼玉16区(さいたま市岩槻区、吉川市など)

 土屋が一歩リードしていたが、三角が追い上げ、互角の戦いとなった。選挙区内で内閣支持と不支持が伯仲していたが、終盤で不支持が上回った。土屋は支持層固めが、三角は無党派層の支持拡大がそれぞれ課題となる。

(敬称略)

■調査の方法

 10月22日から24日にかけて、電話とインターネットによる調査を実施した。電話調査は日本経済新聞社と協力して実施。調査実務は日経リサーチに委託した。無作為に作成した固定電話と携帯電話の番号を使い、調査員による調査と自動音声による調査を組み合わせたもので、計15万5447人から回答を得た。インターネット調査は、LINEヤフーと協力して実施。「Yahoo! JAPAN」のIDを持つユーザーから対象者を抽出して協力を依頼し、9万2129人が回答した。電話調査の基礎データのみ日本経済新聞社と共有し、集計、分析、記事作成は独自に行った。

■議席予測の方法

 小選挙区の予測は、過去の衆院選での調査結果と実際の得票率との関係などから予測式を作成し、今回の調査で得た各候補者の数値をあてはめた。

 比例選では、衆院選と参院選での調査結果と、実際の選挙結果の関係などから予測式を作成。比例ブロックごとの各政党の予測得票数を算出した。その後、ドント方式で各政党の獲得予測議席を計算した。

 これらに全国の各本社、各支社、総支局などの取材情報を加味して総合的に判断した。

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