話題株ピックアップ【夕刊】(1):コニカミノル、santec、三菱電

コニカミノル <日足> 「株探」多機能チャートより
■コニカミノルタ <4902>  544.8円  +31.1 円 (+6.1%)  本日終値  コニカミノルタ<4902>が大幅高で3日ぶりに反発。同社は4日、高精細・高速印刷に適した産業用インクジェットヘッド「KM1024iシリーズ」の新製品として、溶剤への耐久性に優れた「KM1024iSHE-HM-LV」を発売したと発表しており、これを好感した買いが入った。新製品は、溶剤に対する優れた耐久性を備えているのが特徴で、溶剤を含むディスプレー用材料、有機半導体材料、次世代太陽電池用材料、金属ナノインク材料などの塗布に適しているという。また、小液滴のインク吐出も可能で、高精度が求められる工業用途で精密な塗布が可能。更に低粘度のインクや材料塗布に対応していることから、低粘度の材料を用いるペロブスカイト層の形成などにも使用することができるという。ディスプレーや半導体、次世代太陽電池など幅広い用途に対応することから、業績への貢献が期待されているようだ。

■santec <6777>  8,240円  +440 円 (+5.6%)  本日終値

 santec Holdings<6777>が大幅続伸。8000円台に乗せて年初来高値を更新した。世界的にAIデータセンターに関連する設備投資が活発化しており、直近では米オープンAIによるインドでの巨大データセンター計画が報じられたほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>によるニュージーランドでのデータセンター投資計画も9月に入り明らかとなった。AIやデータセンターに関連する銘柄に対する物色意欲が強まるなか、光部品を手掛けるsantecは26年3月期第1四半期(4~6月)は最終減益ながらも営業利益率は向上している。データセンター関連での需要捕捉による業績回復への期待から断続的に投資資金が流入し、株高に弾みをつけたとみられている。

■三菱電機 <6503>  3,657円  +145 円 (+4.1%)  本日終値

 三菱電機<6503>が続伸。5日付の日刊工業新聞が「三菱電機は2027年度に向け、配当と自社株買いを含む総還元性向を最大70%に引き上げる」と報じた。積極的な株主還元を期待した買いを誘う格好となったようだ。同社は4月28日に開いた機関投資家・アナリスト向けの25年3月期決算説明会において、次の中期経営計画での総還元性向に関する質問に対し、ターゲットとして50%以上を基本とする考えを示していた。日刊工の記事によると、27年度までにROE(自己資本利益率)10%の達成を目指すうえで、25年3月末に現金及び現金同等物が7573億円と余剰感があることも踏まえ、資本を適正化するという。

■ナカニシ <7716>  2,109円  +68 円 (+3.3%)  本日終値

 ナカニシ<7716>が3日ぶりに反発した。SMBC日興証券は4日、ナカニシの目標株価をこれまでの2900円から3000円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を継続する。主力の歯科用ハンドピースについては米国でのシェア獲得が継続すると予想。北米歯科事業や外科事業の更なる拡大、新興国での価格競争への対応、資本効率を意識した経営に注力することを示した中期経営計画について、攻守兼備の戦略と評価する。同証券はナカニシの26年12月期の営業利益予想を従来の159億9100万円から165億円に引き上げた。

■ブックオフG <9278>  1,560円  +39 円 (+2.6%)  本日終値

 ブックオフグループホールディングス<9278>が反発。4日の取引終了後に発表した8月度の月次売上状況で、国内ブックオフ事業の既存店売上高が前年同月比9.3%増となり、55カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。トレーディングカード・ホビー、書籍、貴金属・時計・ブランドバッグ、アパレルなどの売り上げが前年を上回った。なお、全店売上高は同9.4%増だった。

■TENTIAL <325A>  4,790円  +105 円 (+2.2%)  本日終値

 TENTIAL<325A>が続伸。東京証券取引所が4日の取引終了後、同社株を5日付で貸借銘柄に選定すると発表しており、株式流動性の向上による売買活性化への期待から買われたようだ。また、日本証券金融も5日約定分から同社株を貸借銘柄に追加した。

■クスリアオキ <3549>  3,959円  +79 円 (+2.0%)  本日終値

 クスリのアオキホールディングス<3549>が4日ぶりに反発。香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが、クスリアオキの株式を買い増していたことが4日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いが入ったようだ。同日に提出された変更報告書によると、オアシス・マネジメントによる保有割合は9.67%から10.70%に上昇した。報告義務発生日は8月28日。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としている。

■トヨタ自動車 <7203>  2,962.5円  +57.5 円 (+2.0%)  本日終値

 トヨタ自動車<7203>が続伸、5日移動平均線を足場に戻り歩調を強めている。4日にトランプ米大統領が、日本との貿易交渉での合意を履行する大統領令に署名を行った。相互関税は既存の税率が15%以上の品目には上乗せされず、15%を下回る品目については相互関税と合わせて15%が適用される。現在は一律15%を上乗せした関税が賦課されているが、これについては8月7日の発動日にさかのぼって還付されることになる。したがって眼目となっていた自動車関税についても現行の27.5%から15%に引き下げられることになり、これを好感する買いが同社株をはじめ自動車セクターに流入している。足もと外国為替市場で1ドル=148円台半ばの推移と円安水準でもみ合っていることも、為替感応度の高い自動車メーカー各社には追い風として働いている。

■三菱重工業 <7011>  3,607円  +68 円 (+1.9%)  本日終値

 三菱重工業<7011>が後場強含み。同社はきょう、台湾の公営電力会社である台湾電力が運営するトンシャオ発電所向けに、総出力280万キロワットの天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備建設プロジェクトを受注したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。このプロジェクトは、同社をリーダーに台湾の大手エンジニアリング・建設会社であるCTCIと共同でのフルターンキー契約(設計から機器・資材・役務の調達、建設及び試運転までの全業務を単一のコントラクターが一括して定額で、納期、保証、性能保証責任を負って請け負う契約のこと)によるもの。CTCIの受注額を含むEPC(設計・調達・建設)取りまとめの総額は約7600億円だとしている。

■コーナン商事 <7516>  4,090円  +55 円 (+1.4%)  本日終値

 コーナン商事<7516>がしっかり。4日の取引終了後に発表した8月度の月次売上動向で、既存店売上高が前年同月比4.7%減と2カ月連続で前年実績を下回ったものの、想定内との見方が強いようだ。前年の防災用品の大幅な需要増による反動減の影響が大きかった。一方、令和のコメ騒動への対応としての備蓄米の販売や、高気温継続によるエアコン・扇風機・ハンディファンの好調、職人向けの内装建材・電材の販売は増加したという。なお、全店売上高は同1.6%減だった。 株探ニュース

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