米半導体輸出規制当局の予算削減、対中AI戦略に打撃-民主議員が警鐘
Mackenzie Hawkins
- 米政権、BIS予算の約10%に当たる2000万ドルを事実上削減
- 米国の技術狙うチャンスと「敵対国に実質的に宣言」していると非難
トランプ米政権が半導体輸出規制を担う機関の予算を10%削減したことが分かった。これを受け、民主党上院議員らは人工知能(AI)技術競争における中国に対する米国の優位性が損なわれる恐れがあると警鐘を鳴らした。
上院歳出委員会の副委員長を務めるマレー議員(民主)が発表したところによると、トランプ政権は24日、半導体の輸出管理を担う商務省産業安全保障局(BIS)の予算の約10%に当たる2000万ドル(約30億円)を事実上削減した。米議会が承認した連邦支出について、ホワイトハウスが一方的に阻止しようとする試みの一環という。
これに対し、ウォーレン上院議員(民主)らは26日に行政管理予算局(OMB)のボート局長宛ての書簡で、OMBは米国の技術を狙うチャンスだと「米国の敵対国に対して実質的に宣言している」と非難。予算削減が国家安全保障に及ぼす影響について政権側に説明を求めた。
議員らは資金凍結の法的根拠およびBISへの影響に関する詳細をすぐに説明するよう要求。OMBの広報担当者は現時点でコメント要請に応じていない。
BISは、AI向け先端半導体やその製造装置の輸出制限を含む規制を担当しており、米中間の技術覇権争いにおいて極めて重要な役割を担っている。トランプ政権一期目で始まり、バイデン政権下で大幅に強化されたこの規制は、軍事目的に使用される可能性があるAI向け先端半導体の開発技術を中国に流出させないことが目的としている。
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原題:Trump Blocks 10% of Chip Curb Funding, Drawing Senate Alarm (1)(抜粋)
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