あのシャープが、VRの民のために国産軽量VRメガネを開発中
VR内で触れた感覚がぞわわわと伝わってくる、外骨格デバイスも作ってるんです、シャープ。
バッテリー非内蔵だけど重くて辛い某XRデバイスの気配が薄れゆくなか、バッテリー非内蔵だけど軽くてつけ心地がよいXRデバイスの注目度が高まってきたのが今日このごろ。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、シャープが2023年のCESや、SHARP Tech-Dayで展示してきた軽量な「SHARP VR Glass」の最新版がXR・メタバース総合展で展示されていました。最近気配を感じないと思っていたけど、市販化を目標に開発が進んでいるんですって!
Photo: 武者良太参考までに、こちらが2023年のSHARP Tech-Dayバージョン。最新版はフレームのアウターが真っ白になったんですね。もちろん他にもアップデートは進んでおり、特に映像の安定性が高くなったとのこと。時期はまだ言えないけど、市販化も現実的になってきたらしいぞ....。
軽さは正義だ。ウェアラブルデバイスってだいたいそうだ
Photo: 武者良太具体的なスペックは教えてくれなかったけど、後頭部を抑えるストラップとフェイスガスケット込みの重量は、200~250グラムくらいとみた。
「他社スタンダード機の半分以下の重量」とのことだけど、確かにMeta Quest 3(515グラム)の半分くらいかな、という印象でした。
Photo: シャープのスタッフさん世の中にはもっと軽いVRグラスがあるけど、柔らかく、通気性もあるフェイスガスケットの肌当たりがよいことと、テンプルの側圧控えめで装着感は極めて良いというメリットから、この軽さと快適さなら半日くらい装着できるかもとも感じましたね。
-9.00Dの近視度数まで対応する補正レンズつきでこれまた快適
Photo: 武者良太独自のコンテンツを見せていただいたので、真っ向からの比較はできませんが、視野角はMeta Quest 3より狭め。同じく軽量VRグラスの一部モデルと同じくらいの見栄えかな。
そのぶんPPI(ディスプレイ1インチの中の画素密度)が高いのでしょう。コイツで見られる映像そのものは緻密です。業務用XRデバイスと似た密度が感じられるルックでした。
またXR・メタバース総合展で展示されていたバージョンの視度補正機能-6.00Dまででしたが、市販化の暁には-9.00Dの視度まで補正できる仕組みにするそうです。これは視力が0.01以下の人でもある程度カバーできるものとなりそう。
小型のVRメガネは補正レンズを後付けするのが難しい(無理につけると視野角が大幅に狭まるに映像も歪みやすい)けど。これだけの補正力があるなら、多くの人が助かったと感じるかもしれませんね。
コントローラーはインサイドアウト方式
Photo: 武者良太部屋の角に特別なセンサーを置く必要はありません。インサイドアウト方式なので、VRグラス本体のセンサーがコントローラの位置を見続けます。
コントローラの現物も見せていただきましたが、このパンフレットの見た目とそっくり。このリング部分に赤外線LEDを組み込み、VRグラス本体と位置情報をやりとりするのでしょう。とはいえ試作品というノリも感じたので、市販化するときは形状が変わるかも?
価格は10~15万円くらいかしらん?
Photo: 武者良太お値段についても「まだお話できないんですよ」でしたが、いろいろ話していくうちに、Meta Quest 3(8万1400円)より高そうという雰囲気が伝わってきました。小型化・軽量化ってめちゃくちゃ開発コストがかかるので、10万円くらい、高くでも15万円くらいなら納得できるなー。
外骨格式のVR触覚コントローラーも体験してきた
Photo: 武者良太別のタイミング、別の場所で、同じくシャープが開発している「VR触覚コントローラー」にも触れてきたよ!オレンジ色のフィルムでカバーされた触覚フィードバックユニットが、ザラザラ・つるつる・さらさら・ゴツゴツとした感覚を指先に伝えてくれるデバイスです。
Photo: 武者良太同様の機能をもつ製品に手袋型があります。両者を比較すると、VR触覚コントローラーは外骨格式なので装着がとてつもなく楽ですが、指を動かせる範囲が狭め。手袋型は装着に手間がかかるけど、指先の表現力で軍配があがります。
どっちがいいかはみなさま民次第。使い方によって評価が変わるのでここでは断言しませんが、調整範囲が広い補性レンズ機構付きのSHARP VR Glassと、つけ外しが簡単なVR触覚コントローラー。この2つはその構造上、1つデバイスを共有して使っていくシーンでこそ本領発揮するでしょうね。コンシューマー市場でも注目されるけど、エンタープライズユーザーも興味津々でみてくると思いますよ。