MBKとNSSKなど牧野フに買収提案、ニデック対抗の可能性-関係者

鈴木英樹、布施太郎

アジア系投資ファンドのMBKパートナーズや日本産業推進機構(NSSK)を含む複数の投資ファンドが、それぞれ牧野フライス製作所の買収を検討していることが分かった。牧野フはニデックから同意なき買収提案を受けており、両社は友好的な買収者(ホワイトナイト)となる可能性がある。複数の関係者が明らかにした。

  複数の投資ファンドが、牧野フに対して完全子会社化を目的とする意向表明書を提出したと日本経済新聞が10日昼に報じ、牧野フも同様の内容を発表していた。現経営陣がMBKやNSSKの提案に賛同すればホワイトナイトの出現となり、買収交渉は新しい局面に入る。

  牧野フの広報担当者はコメントを控えた。MBKからは現時点でコメントを得られていない。NSSKからはコメントを得られなかった。

  ニデックは昨年12月、事前協議を行わず牧野フへのTOBを突然発表。牧野フは現段階で提案を受け入れておらず、書面や対面でのやりとりが続く。

  牧野フとニデックの経営陣は3月4日に対面で面談したと明らかにしていた。ニデックは発表文で今後も頻度を上げて継続的に面談し、 TOB提案への理解を得るよう努めると説明。一方、牧野フは企業価値の向上と株主共同の利益確保の観点から、ニデックの提案やその他の代替策など、あらゆる戦略的オプションについて引き続き検討を尽くすと見解を示した。

  牧野フ株の大株主である工作機械技術振興財団はニデックの提案に反対する意向を表明している。 

  MBKは未公開株に投資するプライベートエクイティファンドで、日本を含めたアジア企業へ投資する。今年2月にはプリント基板を製造するFICT(長野市)を買収すると発表。昨年7月にはブラックストーン傘下のアリナミン製薬(東京都千代田区)買収を発表した。

  NSSKのウェブサイトによると、同社は2014年設立。23年には家庭用浄水器のタカギ(北九州市)や「さくら薬局」を運営するクラフト(東京都千代田区)を買収した。

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