米国債トレーダー、値上がり継続見込む-トランプ氏の相互関税に備え
Edward Bolingbroke
- 関税に世界が身構える中、オプション取引トレーダーは米国債に強気
- 利回り低下を見越す大規模オプション取引などで投資家は備え
トランプ米大統領の相互関税発表に世界が身構える中、オプション取引のトレーダーは、米国債相場の値上がりが続くと見込んでいる。
米債利回り低下を見越した大規模なオプション取引や、金利連動デリバティブ(金融派生商品)の米利下げ織り込み拡大など、投資家が関税に備えているのを示す動きが散見される状況だ。
米国債相場の上昇を予想するコールオプション(買う権利)への需要の偏りも、重要なシグナルだ。投資家が支払うコールオプション料は、プット(売る権利)との比較で2024年8月以来の高水準となっている。
マッコーリー・グループのグローバル通貨・金利ストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は、リセッション(景気後退)や景気減速を伴わないインフレよりも「今現在はリセッションを重視している人が市場に多い」と説明。「国債利回りが上昇するとは考えにくい」と指摘している。
景気が減速し米金融当局が金融緩和に踏み切るとみた場合、投資家は米国債を選好する傾向がある。
混乱時に避難先として人気を集める米国債は、関税に絡み株式市場などの変動が数週間続いた後も買い手を引き付けている。米10年債利回りは3月27日以降に20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度低下しており、4月1日遅くには4.17%を付けた。
強気見通しは現物債市場でも見られ、JPモルガン・チェースの今週の顧客調査では、ネットロング(買い越し)がこの1カ月で最も高い水準となった。
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