“レイソル”の縁に背中押され…東京国際大FW古谷柊介は二度目のU-22日本代表入り、アジアの舞台で「少しでもいい結果を」

 二度目の代表入りで、さらなる活躍を誓った。大岩剛監督が率いる“ロス五輪世代”U-22日本代表はミャンマーで行われるAFC U23アジアカップ予選へ。FW古谷柊介(東京国際大3年)は「前回よりも落ち着いて臨めている。一度海外の雰囲気や相手を肌で感じたからこそ、今回の大会でもっと自分の良さをアピールして、少しでもいい結果を出して全部勝てるようにしていきたい」と力を込めた。  7月にスタートした大岩監督体制のウズベキスタン遠征でメンバー入りを果たした。ウズベキスタン親善大会「Mirabror Usmanov Memorial Cup 2025」では初戦のU-22サウジアラビア代表戦に先発出場。左サイドハーフで攻守に動き、積極的にシュートも放つ。後半17分の途中交代まで走り切った。  大学ではFW起用で得点を挙げているほか、高校時代に務めた左MF、そしてシャドーにも適性がある。左MFでは持ち前のスピードを生かした縦への突破、カットインが魅力。シャドーでは背後へのランニングやゴール前でのクオリティを発揮する。関東大学1部リーグではFW起用で4得点。ラインブレイクからのチャンスメイクを見せつつ「最後の決定力はいま磨いている」と研鑽中だ。「ポジションそれぞれで自分の良さがあることが武器」と胸を張った。 「一番最初に選ばれたときは嬉しい思いもあって、初めての選抜、代表だったのですごく感動したというか。今までやってきてよかったという思いはあった」。背負った日の丸に喜びを覚えつつ、初代表での62分間を振り返る。「その出場時間のなかで結果を残さなければ、もっと上に行けないと実感した」。二度目の招集に懸ける思いも強い。  代表の合流直前まで、柏レイソルの練習に参加していた。小学生から中学までは柏レイソルA.A.TOR'82に所属し、高校は日体大柏高。「柏のチームでずっと育ったんで、すごく憧れはある」。柏は今回が初の練習参加で「Jの上位というのもあって、チーム全体のレベルが高かった」と振り返った。

 東国大の先輩も柏に所属していることもあり「雰囲気もよかった」。ちょうど前日には東国大で2学年上のFW古澤ナベル慈宇、3学年上の日本代表MF熊坂光希と食事へ。「日の丸を背負うことで、自分の人生も変わってくるのかもしれない。クマくんを見ていると、やり続ければ何かあると感じた」。6月に初のA代表入りを果たした熊坂からは、遠征で役立つグッズなどのアドバイスも受けた。

 熊坂だけでなく、過去には柏発の日本代表FWから指導を受けたこともある。日体大柏の高1だった古谷がまだBチームだった2020年夏、工藤壮人氏が練習場を訪問した。

「居残り練習でのシュートとか、実際に紅白戦に参加して動きの質とか相手の逆を突くシュートとか、そういうところを見させてもらった。一人ひとりに要求していて、自分がどう受けたいからどういうボールを出してほしいとか、そういうことを伝えてくれた。シュートも思いっきり振るのではなく、打ちたいと思ったところに打つとか。細かいところを教えてもらえた」  大先輩は22年10月に急逝した。しかし、その思いを継いだ古谷が日の丸を着ける。「小さい頃から会場でも観ていて、プレー集も見ていた。少しでも近づけるように、サッカー選手としてがんばっていきたい」。一歩ずつ成長を遂げたアタッカーが、アジアの舞台で活躍を狙う。 (取材・文 石川祐介)●AFC U23アジアカップ2026予選特集▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中

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