米大型ハイテク株のつまずき、次のけん引役発掘の好機に-モルガンS

Alexandra Semenova

  • 堅実に利益を上げ景気減速に持ちこたえられる銘柄の精査が必要
  • 非常に特異な市場環境、銘柄選択が重要に-シャレットCIO

米大型ハイテク銘柄の直近高値からの下落率が2桁に達したことを受け、次の市場のけん引役を発掘する好機が訪れていると、モルガン・スタンレーが指摘した。

  同社ウェルスマネジメント部門のリサ・シャレット最高投資責任者(CIO)は、堅実に利益を上げ、景気減速や関税によるインフレ圧力に持ちこたえられる企業のバランスシート精査が求められるとインタビューで発言。金融サービスや国内の資本財、エネルギー、素材のほか、メディア・エンターテインメントなど消費者サービスで優れた銘柄を保有することで「利益を得られる」との見方を示した。

  昨年最も低迷したセクターの一つであるヘルスケアにも注目。同セクターでの興味深い人工知能(AI)の応用例を示した。

  シャレット氏は、大手テクノロジー企業による株式市場支配が今年揺らぐ可能性を先月指摘していた。そうした予測は既に現実のものとなりつつある。中国の人工知能(AI)スタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)が脚光を浴び、米テクノロジー企業とそのAI技術への積極投資への疑問が浮上した。

  シャレット氏は「利益のモメンタムを維持できる企業とそうでない企業を見極める必要がある」とし、「非常に特異な市場環境で、銘柄選択が重要になる」と語った。

  ウォール街では市場を構成する銘柄を幅広く買うよりも選別的な投資判断を投資家に促す動きが広がっている。シティグループのトレーディングデスクが最近そうした戦略を支持したほか、資産運用会社ジャナス・ヘンダーソンは銘柄選別型の上場投資信託(ETF)を今月立ち上げた。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)のサビタ・スブラマニアン氏らストラテジストは、足元の利益サイクルを「ストックピッカー(銘柄選別者)のパラダイス」と評した。

原題:Morgan Stanley’s Shalett Sees Stock Picking Moment in AI Stumble(抜粋)

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