「安全な日本でなぜ…」人助けで事故死の留学生 その日も母に電話

深掘り

浅倉拓也 橋本龍之介 大野晴香

 神戸市長田区の山麓(さんろく)にある住宅地。

 6月のある深夜、バングラデシュからの留学生、ファルディン・ラハマンさん(24)はアルバイトから帰る途中、自宅近くで奇妙な光景を見た。

軽トラックが立ち往生した坂道=9月1日、神戸市長田区、橋本龍之介撮影

 狭く急な坂道を軽トラックが下ろうとして電柱に阻まれ、立ち往生していた。

 運転手に助けを求められ、ラハマンさんは一緒に暮らす同郷の友人に電話した。

 「待って、すぐ行く」

 友人は詳しい状況も聞かず、自宅からすぐに駆けつけてくれた。

 ちょうど日付が変わり、6月23日になるころだった。

 2人は急な斜面に立ち、軽トラックを下から押した。運転手はギアをバックに入れ、アクセルを踏んだ。

 軽トラックは少し後退した後、タイヤが空回りし、今度は坂の下に向かって2人を巻き込んで滑り落ち始めた。

 ラハマンさんはすぐに転倒し、頭を打ったが、けがで済んだ。

 軽トラックは友人をひき、そのまま坂を下り続け、道沿いの家の門柱に激突して止まった。

 友人は胸を押し潰されるなどし、亡くなった。

事故を起こした軽トラック=神戸市長田区、関係者提供

 人助けをしようとして、留学生は亡くなりました。日本に住む外国人が400万人を超える時代。関係者を取材すると、遺体の搬送や補償など、異国での不慮の死がはらむ困難さが垣間見えました。

 軽トラックはレンタカーで…

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この記事を書いた人

浅倉拓也
大阪社会部
専門・関心分野
移民、難民、外国人労働者
大野晴香
ネットワーク報道本部(大阪)
専門・関心分野
ひと、裁判、データジャーナリズム、動物園

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