EU、報復措置の停止期間を8月1日まで延長-米国とさらに交渉へ
欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、トランプ米大統領がEUに対し30%の関税を課すと表明したことを受け、さらなる交渉を可能にするため、米国に対する報復措置の停止期間を 8 月 1 日まで延長すると発表した。
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この対抗措置は、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに課した関税措置を受けてEUが採用したものだが、交渉を可能にするため一時停止されており、15日深夜に自動的に再発動される予定だった。
フォンデアライエン氏は13日にブリュッセルで記者団に対し、「同時に、さらなる対抗措置の準備も続けていく。あらゆる事態に備える」と述べた。さらに、EUは「交渉による解決」を望んでいると改めて強調した。
現在の報復措置の対象は、約210億ユーロ(約3兆6200億円)分の米国製品だが、さらに約720億ユーロ分の対抗措置も準備している。
EUの対抗措置の中で最も強力なツールである「反威圧措置」(ACI)については、現時点では使用されないと述べ、「ACIは特別な状況のために作られた」と説明、「まだその段階には至っていない」と続けた。
報復措置の停止期間延長については、加盟国の承認が必要となる。
ブルームバーグが以前報じたように、EUと米国が今後数日以内に暫定合意を目指す中で、自動車および農産品の関税水準が主要な争点として浮上している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
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EUは農産品への関税について10%以下を求めている。一部の自動車メーカーが提案していた「相殺メカニズム」については、欧州委員会が生産拠点の米国移転につながりかねないとして懸念を示しており、現時点では検討対象に含まれていないという。
事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところによると、EUの交渉担当者は自動車関税に焦点を当てた協議を進めている。
原題:EU to Extend Suspension of Countermeasures to Allow for US Talks(抜粋)