広島の新ストッパー森浦 投球に安定感がありハートも強い!「ハーンよりずっといい」と安仁屋宗八氏

 「広島2-1中日」(3日、マツダスタジアム)

 広島が2年ぶりに先発した遠藤淳志投手の好投と末包昇大外野手の8号決勝ソロなどで僅差逃げ切った。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は遠藤について「ボールにキレが出てきた。制球も素晴らしい。次もいける」と絶賛。1週間後の同じ中日戦での“再演”を期待した。

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 遠藤の出来が本当によかった。2年ぶりの先発だったので立ち上がりを心配していたが、非常にスムーズだった。三回、先頭の石伊に一発を浴びたのはボール2からの甘い直球で、これは失投。それ以外は文句のつけようがないと思うね。

 まずボールにキレがあった。長い2軍の練習で“急速が増した”と本人が話していたが、そのとおりでしょう。

 六回を投げ終えて交代するまでフライアウトが9つを数えた。そのほかはゴロアウトが5つ。三振が4つ。最高速は147キロでも“威力”があるということ。ホームラン以外は内野安打が1本。そして無四球。制球も素晴らしかった。

 来週(8~10日=バンテリンドーム)、この折り返しでまた中日と当たるが、当然次の登板にも十分期待がもてる。この日は6回で74球。個人的にはもう少し投げるところを見たかったけどね。

 九回は森浦が抑え役として登板したが、投球の最中に場内放送用マイクの故障で、ちょっとした中断があった。それでも何の影響もなかったように抑えきった。安定感のある投球だけでなく、ハートが強いところも彼の持ち味。心強い限りですよ。

 今年は不調だった栗林の代わりにハーンが抑えをしてきたが、あまりよくないからね。森浦はストッパーとしての経験は浅いが、リリーフ経験は豊富で最も安定している救援投手。ハーンよりずっといいですよ。

 (広島は遠藤から島内-栗林-森浦とつないで逃げ切り勝ち。九回は二死一塁から代走に駿太が送られたところで音響機器の故障が発生してミニ中断。その後二死一、二塁となったが、森浦がボスラーを左飛に打ち取った)

 ただ最後までマイクが使えず、2年ぶりに勝ち星を挙げた遠藤のヒーローインタビューが聞けなかった。これだけが残念だったけどね。

 この試合は小さいことかもしれないが、反省すべきシーンもいくつかあった。

 ひとつは矢野。二回無死二塁の場面で一塁へ飛球を打ち上げてしまったが、ここは最低でも走者を進める打撃をしてほしかった。次打者の遠藤がセンターへ大きな飛球を打っただけに余計に悔やまれる。

 彼の守備はだれもが認めるところ。課題が打撃にあるのは明らかだが、飛球の多さが難点とも言える。必要に応じて転がす。このへんをクリアしないと本当のレギュラーにはなれないんじゃないか。

 もうひとつは七回の守り。島内が細川をチェンジアップで3球三振に打ち取ったが、その3球目のワンバウンドを坂倉が後ろへ逸らしてしまった。

 走者がいないとはいえ追い込んでいたのだから、手だけに頼らず体で止めないと。結果的に振り逃げは阻止したが、危うくピンチを招くところだった。

 坂倉は走者が三塁にいる場面でも逸らすことがある。記録は暴投でもバッテリーの共同作業として防がないといけない。日頃から石原コーチと二人三脚で頑張っているのは知っているが、それをしっかりと試合で表現してほしいね。

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