赤ちゃんが泣き止まない理由とは?「ベイビーボイス」の開発を通してわかったこと(nobico(のびこ))|dメニューニュース
こどもの視点ラボ 著『こどもになって世界を見たら?』(トゥーヴァージンズ)より
おむつが気持ち悪くても、喉が渇いても、足の裏がかゆくても、泣くしか訴える方法がないってどんな気持ち?
赤ちゃんの気持ちを体感するためにこどもの視点ラボが開発したのが、話した言葉を泣き声をに変換する「ベイビーボイス」。 今回は、開発の経緯や実際に使用してみた感想に加え、社会福祉学部子ども教育福祉学科の岡本依子先生の解説をご紹介します。
※本稿はこどもの視点ラボ 著『こどもになって世界を見たら?』(トゥーヴァージンズ)から一部抜粋・編集したものです。
ベイビーボイスを使って、赤ちゃんになって泣いてみた
お話を伺った先生:岡本依子 立正大学社会福祉学部子ども教育福祉学科 教授
「なんで泣き止んでくれないの?」赤ちゃんの気持ちが分からない
おっぱいもあげたし、おむつも替えたし、抱っこもしてるのに、いつまでたっても赤ちゃんが泣き止んでくれない。ゆらゆら揺れてみたり、散歩してみてもダメ。親なのに赤ちゃんの気持ちが全然分からなくて、こっちが泣きそう。そんな思いを経験した新米ママパパは多いのではないでしょうか? 私は実際「うえーん!」と泣いてしまったことが一度や二度ではありません。
でも、こどもが成長して言葉でのコミュニケーションができるようになってくると、ふと思いました。まだ話せない赤ちゃんにとっては、泣くことだけが伝える手段だったんだな、と。おむつが気持ち悪くても、喉が渇いても、足の裏がかゆくても、泣くしか訴える方法がないってどんな気持ち? そこで赤ちゃんの気持ちを体感するため、話した言葉をすべて泣き声に変換する装置「ベイビーボイス」を作ってみることにしました。
まずは名刺サイズの小型コンピューターにUSBマイクを取り付け、ユーザーが話す声のボリュームを検知。一定の値を超えると赤ちゃんの声がスピーカーから鳴るようにプログラミングを組みます。次に空間芸術社さんで、赤ちゃんの口元の型を制作してもらい、そこにセット。スピーカーの位置や赤ちゃんの泣き声の音量などを調節します。
しかし進行していくうちにある疑問が。赤ちゃんの泣き声って感情によって変化するのだろうか? 聞き分けられるなら、赤ちゃんがしてほしいことが分かって親ももっと楽になるのでは?そこで、親子コミュニケーションについて30年以上研究している立正大学の岡本依子先生にお話を伺うことにしました。