日銀、来週会合で利上げの公算 「緩和度合い調整」の方針維持=関係筋
[東京 17日 ロイター] - 日銀は23―24日の金融政策決定会合で、トランプ米次期政権の発足による市場の混乱がなければ、追加利上げを決める公算が大きい。0.5%への利上げを決定した場合も、経済・物価見通しが実現していけば「金融緩和の度合いを調整していく」方針を維持するとみられる。複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、日銀内で2025年度の賃上げに向けたモメンタムがしっかりしているとの声が広がるなど、追加利上げが実施できる環境は整いつつある。残る焦点は20日の米大統領就任演説や同日以降に打ち出される政策を受けた金融市場の動向だという。
米国経済を巡っては24年12月の米雇用統計など、堅調に推移しているとの見方が日銀では多い。ただ、上下双方向のリスク要因としてトランプ米次期政権の動向を注視している。
国内の経済・物価はここまで、日銀が展望リポートで示した見通しに沿って推移してきており、追加利上げへの環境は整いつつあるとの見方が日銀では出ている。決定会合で議論する新たな展望リポートでは、コメ価格の上昇や円安、原油価格の上昇を反映して、24年度と25年度の消費者物価指数(除く生鮮食品・エネルギー、コアコアCPI)の予測を引き上げるとみられる。24年10月の前回展望リポートでは24年度が前年度比プラス2.0%、25年度が同プラス1.9%だった。日銀では物価は上振れ気味に推移し、追加利上げを後押しするとの声が聞かれる。
日銀が0.5%に利上げした場合でも、引き続き「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との方針を示すとみられる。中立金利まではまだ距離があるとの声が多い。
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