エヌビディアH20に米が対中輸出制限、55億ドルの費用計上へ
4月15日、米半導体大手エヌビディアは、人工知能(AI)向け半導体「H20」を巡り、輸出許可が必要になると米政府から通知があったとし、55億ドルの費用を計上すると明らかにした。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[15日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは15日、人工知能(AI)向け半導体「H20」を巡り、輸出許可が必要になると米政府から通知があったとし、55億ドルの費用を計上すると明らかにした。
引け後の時間外取引で同社株は約6%下落した。
H20は米政府による半導体の対中輸出規制を受け、エヌビディアが中国市場向けに設計した製品の一つ。
発表によると、H20の中国向け輸出にライセンスが必要になると米政府から9日に通知を受け、14日にはこのルールが無期限に適用されるとの通知があった。スーパーコンピューターの構築に使用される恐れがあるためという。
H20の演算能力は他のエヌビディア製半導体より低いが、メモリーチップや他の演算チップに高速で接続する能力は依然として高く、中国でのスパコン構築に有用だ。そうしたシステムに使用される可能性のある部品の輸出は2022年から制限されている。
輸出管理を統括する米商務省はコメント要請に応じていない。
エヌビディアは55億ドルの費用について、在庫や購入契約などH20に関連するものと説明した。
ロイターは今年2月、騰訊控股(テンセント)(0700.HK), opens new tabやアリババ(9988.HK), opens new tab 、TikTok(ティックトック)親会社の字節跳動(バイトダンス)など中国企業がディープシークの低コストAIモデル採用を拡大する中、H20の発注を増やしていると報じていた。 もっと見る
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