三浦文丈監督 就任記者会見全文公開
横浜FCでは、2025年7月24日(木)に三浦文丈監督の就任記者会見を実施いたしました。 下記にて全文を公開いたしますので、ぜひご覧ください。
なお、近日中に記者会見の様子を横浜FC公式YouTubeにも掲載予定です。
三浦文丈監督就任記者会見概要
出席者: 代表取締役社長COO 片原 大示郎 横浜FCゼネラルマネージャー 田端 秀規
横浜FC監督 三浦文丈
就任記者会見全文
代表取締役社長COO 片原 大示郎よりご挨拶
本日はお忙しい中、急遽の会見にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。 ホームページで出させていただきました通り、四方田修平監督を解任し、三浦文丈新監督に就任いただくことを決定いたしました。 まず初めに、 四方田修平前監督には横浜FCを2度J1に引き上げていただき、そして真摯に真面目にクラブの発展にご尽力をいただきました。 最大限の感謝とリスペクトをクラブを代表してお伝えさせていただければと思っています。
ただ当然、プロの世界の中で6連敗というところ。そして天皇杯を入れると7連敗という形になり、そこを見過ごすことはできずに監督交代という判断をいたしました。
三浦新監督には、チームをコーチという立場で見ていただいているという点、なおかつ様々なクラブで監督、指導経験がある方というところで、多くの指導者の中で三浦新監督が一番最適であると判断いたしました。
三浦新監督にもこの苦しい、厳しい状況の中で迷うことなく判断いただき、その点も我々としては非常に期待をしており、全力で三浦新監督をサポートしていきます。
そして私から三浦新監督に、三浦新監督から選手たちにもお伝えしましたが、今年の新体制発表記者会見の際に掲げた「J1残留」という目標に対し、残り14試合をピッチで戦う選手、スタッフ、サポーターの皆さま、パートナー企業の皆さま、ホームタウンの皆さまが絶対に諦めることなく、全員でつかみ取っていきたいと思っております。
苦しい状況が続くと、多くの声が聞こえてきますが、横浜FCとしてはしっかりと前を向いて、全員が常に矢印は自分に向け、一歩一歩前進して目の前の勝点をつかみ取るための最善の準備をし、残り14試合をしっかりと戦っていければと思っております。
横浜FCゼネラルマネージャー 田端 秀規よりご挨拶
皆さま、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。 ゼネラルマネージャーの田端です。よろしくお願いいたします。
先ほど片原の方から、監督解任、新監督就任の経緯等についてお話させていただきましたが、新体制発表記者会見の際に掲げたJ1残留という目標に向けて、残り14試合でクラブが一体となり三浦新体制をしっかりサポートできるかというところが課題になってくると思っています。 我々もしっかりとサポートしていきたいと思っていますし、この後の質疑応答の際にご質問があればしっかりとご説明させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
横浜FC監督 三浦文丈よりご挨拶
皆さん、こんばんは。 今回、横浜FCの監督を務めることになりました三浦文丈です。
このタイミングで依頼を受けた時に、正直一瞬だけ「簡単ではないな」と思いました。ただ、今年から横浜FCに関わる者として、この状況から逃げることは絶対できないと思い、即答しました。そのぐらい自分自身では強い気持ちを持って臨むつもりでいます。
目標が残留である以上、自分自身はやれることはとにかく何でもやろうという意気込みでいるのと同時に、監督、コーチングスタッフ、選手、クラブのみんなだけではこの厳しい局面は多分乗り越えられないと思います。 横浜FCに関わる関係者の方、パートナー企業の方、サポーターの皆さん、全ての人たちの力を集結して、この簡単ではない状況で目標達成できるように全力で務めたいと思います。全力で取り組みたいと思います。
(メディアの)皆さんもどうぞ温かい目で見てください。よろしくお願いします。
以下質疑応答
ーー片原社長にお聞きします。 6連敗、天皇杯含めて7連敗というところでこの判断になったというお話でしたが、このタイミングを選んだ理由を教えてください。
当然様々なお考えがあると思います。「もっと前で」というお声も理解していますが、我々としては看過できないタイミングがここであった、ということで今回の判断になりました。
ーー三浦監督にお聞きします。 コーチとしてチームに携わってきた中で、様々な状況を見てきたかと思いますが、具体的にどういうチーム状況と捉えていましたか。また、改善していきたい点を教えてください。
一番はやはりデータでも出ている通り、得点が取れないということが私自身もコーチを務めていてまず一番思いました。そこに対して、どのようにアプローチしていくか。例えばクロスに対してどこのポイントに入り、どのタイミングで上げるのかなど、細かな点が必要だと感じていました。 まず得点に関わるあらゆることに対して、明確に選手に提示して理解してもらい、トレーニングから実行、それができない場合は改善、そのサイクルでゲームに臨みたいと思っています。
ーー三浦監督にお聞きします。 就任当日に選手にどういった声かけをしましたか。
簡単ではないが、引き受けたからにはどんなことでもやろうと思うし、どんなチャレンジでもしようと思っているので、みんなも一緒に戦ってほしいと伝えました。
ーー片原社長にお聞きします。
監督交代を決定した日時はいつですか。また、監督交代の決定者は、社長と田端さん、山形さんで話し合ったのでしょうか。
7月20日清水エスパルス戦が終了してからです。 私1人の判断ではなく、そのメンバーの総意という中で決断しました。
ーー片原社長にお聞きします。 6連敗中で看過できない状況という話がありましたが、それまでに監督交代は検討されていましたか。
全く考えていなかったかというとそんなことはないですが、四方田監督にお願いしている以上、四方田監督を全力で支えるのがクラブの役目であり、まずは四方田監督体制で勝点を取ることがクラブとしてやるべきことであると考えていました。
ーー田端GMにお聞きします。 練習や試合を見ていて、監督交代の必要性はいつ頃から考えていましたか。
様々な想定をしながら、いかなる状況になっても対応できるように考えていましたが、広島戦で3連敗、その後のFC東京、 横浜F・マリノス戦での敗戦という中で、負け方というところも含めて考えなければいけないという思いはありました。
ーー田端GMにお聞きします。 三浦監督に決まりましたが、他にも候補にあがっていた監督はいたのでしょうか。 また、立て直しを託すと決めた三浦監督の手腕はどのような点で期待されていますか。
名前は言えないですが、常に候補のリストアップはしています。 しかし、いまこの現状のチーム状況を考えた時に、三浦監督にお願いするのが一番J1残留への近道だと思いました。
三浦監督は今シーズンからコーチを務めており、日々コミュニケーションを取る中で考えが明確で、整理されているなと感じていた点です。
ーー三浦監督にお聞きします。 シーズン途中から監督を引き受けるのは初めてだと思いますが、その難しさはどのようにイメージしていますか。 またその中でどのように立て直して残留争いを戦っていきますか。
難しさはもしかしたらこれから感じることかもしれないですけども、いま思いつくことはコーチの時は選手と距離を近くして、すごく密にコミュニケーションを取ってきたんですが、監督になると非情な決断をして選手の起用を決めないといけないなど、選手との立ち位置は変わってくるので、難しくなってくるんだろうなと思っています。
それを踏まえ、立て直しについてはまず得点数が少ないというところを、なんとか改善していかないといけないと思っていますし、戦い方のところではもう少し「攻撃はこれを柱にこういう形で戦いたい」「守備はこれを柱にして守りたい」ということを伝えていきたいと思っています。 それをトレーニングでしっかりとやり切って改善していったら、残留に近づいてくるんじゃないかなと今の時点では思っています。
ーー三浦監督にお聞きします。 四方田監督が3年半監督を務められましたが、今後は四方田監督のサッカーを継続しながら立て直していくのか。 それとも全く新しくフォーメーションを変えるなども含めて立て直しを考えているのでしょうか。
四方田監督が築き上げてきた中で大切にしないといけないものはあると思っています。 そういったものを大切にしながら自分なりのエッセンスなどを入れ込めたらと思っています。
ーー「大切に引き継ぐもの」と具体的にはどういうところでしょうか。
四方田監督がよく言っていたベースのところの球際や切り替え、そこがないとサッカーが成り立たないよ、という部分は、私自身もすごい同感ですし、そこの部分は継続してやっていく中で、細かなところは戦術的な内容になってしまうので言いづらいですが、間違いなく自分なりのアレンジはしていきたいと思っています。
ーー片原社長にお聞きします。 残留の目標のために具体的に勝点をどこまで積み上げていかないといけないと考えていますか。
我々としてはとにかく残留をするために、1試合でも多く勝点を積み重ねる。目の前のまず1試合、その1試合で一番高く取れるポイントを目指す。そして、その結果が最終的に14試合でどれだけ取れたかということになります。勝点を何ポイント取れば必ず残留ができるか、は今この現時点で明確にお答えすることはできないと思ってます。
ーー三浦監督にお聞きします。 次の浦和戦までに監督として選手に強調したい部分や改善したい部分はどういうところになりますか。
まず攻撃のところをしっかりと得点を上げていきたいということは、この2日間の中で提示してます。 それを継続して精度を上げ、上積みしていきたいと思っています。アタックとディフェンスを明確に練習セッションを分け、今日の午前中は攻撃、今日の午後は守備、とこと細かにアプローチするようにしています。それを継続することで残留できると信じてますので、とにかくそれを継続しながら常に改善、チャレンジ、反省の反復だと思っています。
ーー三浦監督にお聞きします。 三浦監督が考えている攻撃のイメージを教えていただけますか。
戦術的な話になってしまいますので、本当に触りのところをお伝えさせていただきます。 ゴールが生まれる一番確率が高い場所は、ペナルティエリアのボックスの中ですが、そこで80%生まれてます。 そこにどれだけボールを多く送れるか、そこに1回ボールを送って得点が生まれなかったら、2回、3回と分母自体を増やさないといけないので、どれだけボックスの中にボールを入れられるかということを今取り組んでます。
そのためには、ボールをボックスの手前までどのように持っていくか、自陣のハーフラインぐらいからどのように相手コートのボックスの手前まで持っていくか、など細かい手段を現在チームで取り組んでいます。
ーー三浦監督にお聞きします。 ご自身のキャリアの中でコーチも入れると約10クラブほど所属しとても豊富なキャリアですが、こういったピンチの時にいま考えている対応策や、これまでのキャリアを生かして「ここをしっかりやっていきたい」というものが何かあれば教えてください。
その答えは1つではないと思います。 ただし、私自身が感じているのは、やはり信念を持って、貫き通さなければいけないなと思ってます。その信念がぐらついたりすると、それを見て選手は感じ取ったりするので、そうするとチーム自体をまとめることができなくなります。その信念を持ってちゃんと取り組む、ただしだからといって頭固く一辺倒にならずに、切り替えるところはスパッと切り替える、その決断力も合わせて必要だと思います。自分の信念を曲げずにやることと、もし道が少しでも間違ったと感じた時には素早く修正する、その決断も大切だと思っています。
ーー田端GMにお聞きします。 今回のタイミングで新しく、重田征紀コーチが入りますが、チームでの役割はどのようなイメージになりますか。
重田コーチに関しては、今シーズンこれまでスカウトをやられていたのですが、選手の頃から本当に長くこのクラブに在籍しており、アカデミーやトップチームのコーチなど経験豊富にやられていました。 彼自身このクラブに対する思いというのも強くありまして、その中で三浦監督の方から「ぜひ重田をコーチにしてほしい」という要望がありました。要望を聞いた直後に重田コーチに連絡して、即決で了承いただきました。
重ねてになりますが、重田コーチもこのクラブに対する思い入れもあり、今の窮地をしっかりサポートしたいという気持ちがありました。具体的な重田コーチの役割に関しては、主に若手の選手を見てもらいつつ、三浦監督含めてコーチ陣を下から支えてもらいたいと考えています。
ーー三浦監督にお聞きします。 重田コーチ就任をオーダーしたという言葉がありましたが。
そうですね。私が他のチームでアカデミーを見ていた時に、重田も横浜FCでジュニアユースを見ていて、何回か対戦したこともあります。その時から、彼の指導力というのはすごい目を見張るものがありました。あとは今、田端GMから話があった通り、このクラブへの思い入れも強いということで、このタイミングでコーチを依頼して適任だなと思ったので、お願いしました。
ーー三浦監督にお聞きします。 明日のレアル・ソシエダ戦は、このような形で迎える想定ではなかったとは思います。貴重な実戦というところでどう臨みたいですか。
本当に大切なのは、もちろんその数週間後に控えているリーグ戦ですけど、その前の大切な親善試合ということで、選手にはとにかく思い切って自分の良さを出して、私に対して、サポーターに対して、そして皆さんに対してもっとアピールしてほしいなと思っています。思い切って自分の力を示すことによって勝利に繋がったら、それがまたすごいパワーになってくると思います。そういう気持ちで、選手には取り組んでほしいなと思っています。
ーー三浦監督にお聞きします。 先ほどから何度も攻撃面の重要性についてお話になっているかと思いますが、残留に向けて戦術的なところではなくても、大事にしたいこと、達成するために選手に一番求めていきたいところはどういう部分になりますか。
やはりチームが一丸にならないと勝てないと思います。冒頭でもそのお話をさせてもらった通り、現場のスタッフ、選手、クラブのスタッフだけではなく、横浜FCに関わる全ての皆さんの力が必要だと私自身も思っています。そこが「絶対残留する」という強い気持ちを持って一丸になった時に、J1残留は達成できるんじゃないかなと。その一丸というのが今まさに必要なんじゃないかなと思っています。
ーー三浦監督にお聞きします。 監督として、一丸となるために実際にどのように行動していきたいとお考えですか。
質問の意図とあっているかはわからないですが、一丸になるために私自身がサッカーの戦術的、メンタル的な部分で「こう戦う」ということをきちんと選手に発信すること。こういう形でこの局面を乗り切るんだと、まずそこが一丸になるための始まりだと考えています。それにより「チームとしてまとまってきたよね」「戦う・残留する気持ちが強くなってきたね」となってくる。それが広がってサポーターやパートナー企業の方など関わる人達に、応援したいと興味をもってもらうことが私の考える一丸です。 戦術的なことを含めて、きちんと私自身の気持ちを強く伝えることが一丸になるための1つの行動じゃないかと思います。
ーー三浦監督にお聞きします。 四方田監督からチームを引き継ぐ形になった時、四方田監督から何かお話や会話があったのでしょうか。 また、四方田監督のサッカーを大切にしながらという話もありましたが、四方田監督がやっていたサッカーをどのように引き継いでいきたいとお考えですか。
数日前に四方田監督と電話で話をして、まずコーチの1人として関わった中で支えきれなかったことを本当に申し訳なかったと正直に伝えました。それに対し四方田監督から「全然そんなこと気にしないでください」「本当に、文さん応援しています」と。「横浜FCを応援しているので、何とか残留するように頑張ってください」と言われたので、「本当にありがとうございます」というやり取りがあったのをまずお伝えします。 四方田監督は本当にベースのところをすごく大切にする監督で、様々なサッカーのやり方・戦術はありますが、球際だったり、切り替えだったり、本当に強い気持ちを持って相手に負けないという部分を常々ミーティングやゲーム前に言っていました。
横浜FCは、セカンドボールの球際の戦いについては数値的に上位のところにいますし、1対1で負けない強さもあります。そういうところが四方田監督が植え付けていた部分だと思うので、そこを大切にしながらさらに自分の考えで上積みしていきたいなと思っています。