話題株ピックアップ【夕刊】(2):コーテクHD、スギHD、M&Aキャピ

コーテクHD <日足> 「株探」多機能チャートより
■コーテクHD <3635>  1,930円  +40.5 円 (+2.1%)  本日終値  コーエーテクモホールディングス<3635>は朝安後に切り返す展開。2日取引終了後、自己株式処分による1474万株の売り出しと、既存株主による700万株の売り出しを実施すると発表した。需要状況に応じて上限326万株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。東証プライム市場の上場維持基準の一つである「流通株式比率」の適合を図るため。処分価格は10~16日のいずれかの日を価格決定日とし、この日の終値に0.90~1.00を乗じた価格を仮条件として需給状況などを勘案し決定する。売り出し価格は処分価格と同じ。これを受け、朝方は売り出しを嫌気して安く始まったものの、その後は上場維持に向けた取り組みとして評価する見方から次第に買い優勢に傾いた。

■スギホールディングス <7649>  3,799円  +69 円 (+1.9%)  本日終値

 スギホールディングス<7649>は堅調。2日取引終了後、子会社を通じて、バンコクを中心に薬局事業やクリニック事業等を展開するBLEZ ASIAとタイに合弁会社を設立したと発表した。同国内における事業の推進や拡大を図るとともに、ミャンマーやラオスなど、周辺のアセアン加盟国への事業拡大にも挑戦していくという。

■M&Aキャピ <6080>  3,125円  +45 円 (+1.5%)  本日終値

 M&Aキャピタルパートナーズ<6080>が3日ぶりに反発。2日の取引終了後、全国の新聞社や放送局などと共同で「事業承継・事業成長の選択肢」を広める「地域共創プロジェクト」の第18弾として、中国新聞社(広島市中区)と業務提携契約を締結し広島県内における「地域共創プロジェクト」を始動したと発表したことが好材料視された。両社はこれまでにも、広島県内で事業承継・事業成長をテーマとしたセミナーや啓発活動を展開してきたが、両社の協業を更に強化することで、広島県の地域経済を支える企業経営者にM&Aをはじめとした事業承継・事業成長の選択肢を広めるとしている。また、この日にはSOMPOホールディングス<8630>傘下のSOMPOリスクマネジメント及び損害保険ジャパンと、汚染土地流動化コンサルティングサービスにおける協業を開始すると発表した。提携により、M&A案件における土壌汚染に関する課題解決を支援し、事業承継を円滑に進めることを目指すとしている。

■塩野義製薬 <4507>  2,592.5円  +33.5 円 (+1.3%)  本日終値

 塩野義製薬<4507>が堅調推移。同社は3日、新型コロナウイルス感染症治療薬のエンシトレルビル フマル酸(日本での製品名はゾコーバ)に関し、米食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行い、受理されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。グローバル第3相曝露後発症予防試験の良好な結果に基づいて申請を行った。FDAの審査終了目標日は2026年6月16日。承認されれば、新型コロナウイルス感染症の予防として使用可能な世界初の経口抗ウイルス薬となると期待されるという。

■平田機工 <6258>  1,815円  +23 円 (+1.3%)  本日終値

 平田機工<6258>が逆行高。自動車や半導体業界向けを主力とする生産設備エンジニアリング会社で、足もとの業績は好調に推移している。そうしたなか、2日取引終了後に車載用電子部品の組み立て設備を受注したことを発表した。受注金額は60億円以上としている。今期および来期以降の業績に寄与する見込みで、これを手掛かり材料に投資資金が流入している。株価は8月中旬以降、一貫して下値を探る動きとなっていたが、時価は7月末の年初来高値2173円から16%程度の調整を入れており、値ごろ感からの押し目買いを誘導している。

■住友金属鉱山 <5713>  4,181円  +34 円 (+0.8%)  本日終値

 住友金属鉱山<5713>がマドを開けて続伸し新値街道をまい進している。きょうは同社株をはじめ非鉄セクターに資金流入の動きが目立っているが、その背景にはここにきて金市況の上昇が一段と顕著となっていることが挙げられる。金価格は国際指標となっているNY先物がアジア時間3日にフシ目の3600ドル台に乗せ過去最高値を更新した。英国やフランスの財政悪化懸念に加え、米国でもトランプ米政権下でインフレ圧力が意識されるなか、リスク回避の投資マネーが金に向かう傾向が強まっている。金関連銘柄ではこのほか、純金上場信託(現物国内保管型)<1540>、SPDRゴールド・シェア<1326>、NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信<1328>などのETFも人気となっている。

■JR九州 <9142>  4,151円  +30 円 (+0.7%)  本日終値

 JR九州<9142>はしっかり。2日取引終了後、9日付で265万2600株(発行済み株数の1.69%)の自社株を消却すると発表した。消却後の発行済み株数は1兆5464万9000株となる見通し。

■ファーストリテイリング <9983>  46,670円  +230 円 (+0.5%)  本日終値

 ファーストリテイリング<9983>が続伸。2日の取引終了後に発表した8月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比5.3%増と4カ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。気温が高く推移したことで、夏物商品の販売が好調だったことに加え、トレンドを捉えた通年商品の販売も好調だった。また、前年に比べて休日が1日多い曜日回りの影響もあった。内訳では、客単価が同0.2%減となったものの、客数が同5.5%増となり牽引した。

■サイゼリヤ <7581>  5,230円  +20 円 (+0.4%)  本日終値

 サイゼリヤ<7581>が6日ぶりに反発。2日の取引終了後に発表した8月度の月次売上高で、サイゼリヤ既存店売上高が前年同月比19.3%増と46カ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。客数が同17.1%増と2ケタ増を維持したことが牽引。土日祝祭日による日数が前年よりも多かったことも2ポイント程度プラスに影響した。

■文化シヤッター <5930>  2,396円  -192 円 (-7.4%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

 文化シヤッター<5930>が後場急落。同社は3日午後2時、大規模買付行為などに関する対応方針を導入すると発表した。対抗措置として新株予約権の無償割り当てを実施する可能性がある方針であるため、1株利益の潜在的な希薄化リスクを意識した売りが出ている。6月の変更報告書による米投資ファンドのダルトン・インベストメンツらの共同保有割合が19.69%に上ったなか、文化シヤタはダルトンと8月に面談を実施。ダルトンらが今後も買い集めができる余地を確保するように要請を受けたことなどを踏まえ、企業価値及び株主共同の利益を確保する観点から、大規模買付行為などへの対応策を導入することを決めた。大規模買付者が方針に従わない場合は独立委員会の意見を尊重したうえで、一定の対抗措置を講じる。 株探ニュース

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