SNSで物議も…韓国が"規定外"のリクエストができたワケ 侍コーチ陣が明かした真相

 両チームには事前に“通告”があった。16日に行われた「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025 日本 vs 韓国」第2戦で韓国代表は8回に2度目のリクエストを行った。試合規定ではリクエストは1回まで。SNSで物議を醸した2度目はなぜ行われたのか――。

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 最初のリクエストは7回2死一、二塁。韓国の攻撃でパク・ヘミン内野手の中前打を放った場面だった。二走のムン・ヒョンビン外野手が本塁を狙ったがアウトの判定。これに対し、韓国側がリクエスト。最終的に判定は覆らなかった。

 大会の取材規定では「リプレー検証を実施する。各チーム1回とし、リクエスト成功の場合は回数に含まない」と記されている。そのため、この時点で韓国側のリクエスト権利は消滅したかに思えた。しかし、直後の8回無死一塁で五十幡亮汰外野手(日本ハム)の内野安打の判定をめぐり、再び韓国側がリクエストした。

 判定は覆らなかったが、これにSNSでは「1回までではないか」と言った声が上がった。一塁ベースコーチを務めた亀井善行外野守備・走塁コーチも審判団に確認しに行っていた。ただ、結果としてこのリクエストはルール問題のない行為だった。

MLB公式サイトに記載された「8回以降のルール」

 MLB公式サイトに記載されているリプレー検証のルールの定義には「8回以降は、クルーチーフ(審判団の責任者)が、レビュー可能なすべての判定について、自らの判断、または権利を使い切った監督からの要請に基づいて、リプレー検証を行うことができる」と記されている。

 つまり今回のケースでは、2度目のリクエストは8回以降だったため、責任審判の判断で行われた。これは事前に両チームに説明がなされていたという。亀井コーチも試合後、「8回以降はもう一度リプレーできるということは説明を受けていたんですが、こちらが忘れていて、説明を受けて納得して」と振り返る。村田善則バッテリーコーチも「事前のルール確認でそのような説明があった」と証言した。

 前日の第1戦では投手に直撃した打球の判定をめぐって韓国の指揮官が抗議するなど疑惑の判定が相次いでいた。この日も、SNSで物議を醸した2度目のリクエストは、ルールに則って行われた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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