PlayStation 6の発売は2027年に確定か ソニー社内で「完全に固めている」とのリーク情報
ソニー幹部は開発中のGPU技術について説明する中で、「数年以内に発売する次世代ゲーム機」という表現を用い、実質的にPlayStation 6(仮称)に言及しました。
この「数年以内」という表現はフワッとしているものの、すでにソニーは2027年に発売する計画を完全に固めていると信頼性の高いリーカーが主張しています。
この情報は、未発表のゲームハードウェアに詳しいKeplerL2氏が業界フォーラムNeoGAFで明かしたことです。同氏は過去にPS5 Proの性能を事前に正確に予測したほか、Switch 2の搭載チップ名やスペックを的中させた実績があります。
今回の発言によれば、PS6の2027年発売は「単なる予定ではなく、予期せぬ遅延がない限り計画通りに進んでいる」とのことです。ソニーとAMDの共同発表の場では慎重な言い回しにとどめていましたが、実際には1〜2年後の発売を見据えた準備が着実に進行しているようです。
また、未発表ゲーム機のリークで知られるYouTubeチャンネル「Moore’s Law is Dead」も、PS6の製造が2027年半ばに始まり、同年秋ごろに発売されると報じていました。
さらに、KeplerL2氏の発言には次のような技術情報も含まれています。
- GPU:次世代アーキテクチャ「RDNA 5」を採用(PS5はRDNA 2世代)。ワークグループクラスタリングやグローバルスクラッチパッド共有など、NVIDIAのデータセンターGPUでは採用済みだが、ゲーム機向けとしては初となる技術を搭載。
- Radiance Cores:次世代RTコアとして、現行のBlackwellコアより多機能。ハードウェア圧縮/復号機能「Universal Compression」も備え、メモリ帯域のボトルネックを解消し、性能と効率を大幅に向上させる。
これらはソニーが公式に説明していた技術内容とほぼ一致しており、「ワークグループクラスタリング」や「グローバルスクラッチパッド共有」は「Neural Arrays(ニューラルアレイ)」として紹介されていました。
過去のリーク情報を総合すると、PS6の推定スペックは以下の通りです。
<ハードウェア仕様>
- APU:AMD製セミカスタム「Orion」チップ(TSMC 3nmプロセス)
- CPU:Zen 6cコア7〜8基+低消費電力Zen 6 LPコア2基、合計9〜10コア構成 → LPコアによる分担でメイン処理性能が約20%向上
- GPU:RDNA 5世代、52〜54CU(52CU稼働)、2.6〜3.0GHz駆動、10MB L2キャッシュ
- 性能:約34〜40TFLOPS(PS5 Pro比で2.5倍以上)
- メモリ:GDDR7 32Gbps、160ビット幅、最大40GB、帯域幅640GB/s
- 消費電力:160W前後(PS5 Proの200〜240Wより低く、冷却効率が向上)
- スケジュール:製造開始は2027年中頃、発売は2027年秋予定
<性能面>
- ラスタライズ性能:PS5比で約2.5〜3倍(PS5 Pro比で約2倍)
- レイトレーシング性能:PS5比で6〜12倍、RTX 5090クラス
- パストレーシング時:PS5で約10FPS → PS6では60〜120FPSを実現
- AIアップスケーリング(FSR4/PSSR 2)対応で高画質と高フレームレートを両立
- PS4/PS5互換を維持(PS3互換は不明)
ザックリまとめると、PS6は「レイトレーシング表現で数十万円クラスのグラフィックボードに匹敵しながら、PS5ほど熱くならない(冷却性能的に筐体を小さくできる)」といえます。もし2027年秋に発売されるとすれば、PS5からちょうど7年後となり、世代交代としても自然なタイミングです。
京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。