すばる望遠鏡が観測した“りょうけん座”の渦巻銀河「NGC 5301」

こちらは、ハワイの「すばる望遠鏡」が観測した渦巻銀河「NGC 5301」。

りょうけん座の方向、約7000万光年先にあります。

【▲ すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「HSC」で観測された渦巻銀河「NGC 5301」(Credit: 国立天文台/田中賢幸)】

銀河円盤を真横から見る位置関係にある、いわゆる「エッジオン銀河」のひとつ。円盤全体に広がる塵(ダスト)の豊富なダストレーン(ダークレーン)が際立って見えます。

この画像は、NAOJ=国立天文台がすばる望遠鏡に設置した超広視野主焦点カメラ「HSC=ハイパー・シュプリーム・カム」で撮影されました。

以前に国立天文台が画像を公開した渦巻銀河「NGC 5211」は、今回のNGC 5301とは対称的で、銀河円盤を正面から見た「フェイスオン銀河」のひとつでした。

NGC 5211のようなフェイスオン銀河は、渦巻腕(渦状腕)や星形成領域の分布といった、銀河円盤全体の様子を俯瞰する観測に向いています。

一方、NGC 5301のようなエッジオン銀河は、中心部の銀河バルジの厚さや流出する銀河風といった、円盤に対して垂直な構造を観測するのに向いています。

銀河の構造や銀河で起こる現象を理解する上で、フェイスオン銀河とエッジオン銀河は文字通り異なる視点を提供してくれるのです。

冒頭の画像は国立天文台から2025年10月23日付で公開されています。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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