【RIZIN】朝倉未来、原点回帰の「“負ける覚悟”を持って楽しんで試合したい」──鈴木千裕戦は“100%勝つ“、クレベルには「応援してますよ」、大逆転のシナリオとは?

 2025年5月4日(日)東京ドームで開催される『RIZIN男祭り』に向け、朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)と鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が公開練習。その後、『榊原社長に呼び出されました』に出演した朝倉が、「今回は“負ける覚悟”を持っていく」と語った。その真意と、驚くべき復活ロードのシナリオとは?

 公開練習で立ち技からテイクダウン、パスガードからバック、肩固めなど、組み技まで披露した鈴木に対し、朝倉は上半身裸でオープンフィンガーグローブを着用。サウスポー構えからワンツー、右跳びヒザから左ストレートなど立ち技で万全をアピールした。

 質疑応答では、鈴木が2023年6月のクレベル・コイケ戦から7月のパトリシオ・ピットブル戦の連戦を彷彿とさせる今回の緊急参戦について、心境がかぶるのでは? と問われ、「いやそういう心境かぶるとかは特になくて、そういう風に思って試合とかしてなかったんで、いつも通り。別にプロで本物だったらいつ試合来ても決まったら作るのがプロなので変わらない」と、プロとして試合を受けたら、そのときの万全を作るのみと答えた。

 朝倉の動きを目前で見て頷いていたのは、「本当に試合に向けて仕上がっているな、というのは当然なんですけど、それ見て、自分含めて“ああもう準備できてるんだな”と思ったのが正直な感想ですね」と、張りのある上半身を披露した朝倉のコンディションの良さを、自身同様と感じ取ったとした。

 もともと朝倉とは戦いたかったか? と問われ、「いや、戦うことないかなと思ってたんですけど、世の中本当に縁なので、格闘技の縁がたまたまここで結びついただけなので、それは本当に格闘家としてちゃんと向き合うだけ。そこはもう使命というか、格闘家やってる時点でお互い知ってますし、“いつか戦うかもしれない”というのはつきものなので」と、交わることはないと感じていた朝倉戦を「縁」と表した。

「東京ドームで一番、面白い試合するので楽しみにしていてください」という鈴木に対し、朝倉は「(鈴木とは)やりたいと思ってました。ここまでキツい練習を続けてきたって感じで特にこれまでと変わらない。(鈴木の動きについて)どうでもいいですね、正直。自分のことだけ。100パーセント勝ちます。復活します。見ていてください」と自信とともに、復活を宣言している。

 その公開練習後に、朝倉は『榊原社長に呼び出されました』に出演。あらためて好調をアピールした。

 計量を1週間後に控えるなか、弁当を食べたばかりという朝倉は、「めっちゃ調子いいですね。いや、もう2週間前から71kgぐらいで。もう水抜き(だけ)で別に明日行けるぐらいなんで。いつでもできますよ、今からでもやれるし、もう覚悟決まってるんでやるだけです」と、すでに戦える状態にあるという。

 そして、「練習してきたことをやるだけ。(記者会見で向き合った時、鈴木と何か感じるものは?)いや特に何も。でも結構、自信ありますね、たぶん俺は勝つと思います」と、勝利を予告した。

 公開練習では、「もともと朝倉と戦いたかったか?」と問われた鈴木が「戦うことないかなと思ってた」と、互いに交わらない線上にあったとしたが、2022年3月の『 RIZIN LANDMARK vol.2』で平本蓮に判定勝ちしたときに鈴木は、「朝倉選手が引退するまでの間に僕、朝倉選手と戦えるように実力つけてここから上がって行くんで、そのときは俺と戦ってください」と、対戦をアピールしている。

 そのときのことについて問われた朝倉は、「覚えてる。だって平本蓮と戦ったときだったんで、もちろん鈴木千裕を大応援してましたから」と笑顔を見せ、その後、鈴木と戦うことになることは考えていたか? と聞かれ「うーん、でもチャンピオンになって、色々な強敵を倒してる姿を見て“やりたいな”とは思ってましたね」と、頂点まで駆け上がった鈴木の姿に、対戦意欲が湧いたとした。

 平本蓮の欠場が決まり、鈴木が強敵ダウトベックとの対戦が発表されるなか、朝倉は、自身と鈴木との試合の機運の高まりに、ダウトベック戦の中止を相談していたという。

「俺社長に言ってたんですよね。『ダウトベック戦、中止に出来ないですか』って。平本が欠場した時に、本当に鈴木千裕とやりたいと思ってたんで、でもまあ結局やることになって。(でもダウトベック戦が)終わった時点では“もうさすがに厳しいんじゃないかな”と思ってましたね。だから相手誰になるんだろう? って思ってたんですよ」と、一度は鈴木戦を諦めかけるなか、朝倉はリベンジを忘れない、もう1人の候補も榊原信行CEOに打診していたことを明かす。

「クレベル(との試合)も俺、言ったんですよ。クレベルとシェイドゥラエフはまだ発表してなかったんで。クレベルと俺の方が盛り上がるんじゃないですか。『俺、東京ドームでやられてるから、東京ドームでやり返しますよ』って言って。でも、もう“後ろ”では決まっちゃってるからみたいな感じだったんで」と、内定していたクレベルvs.シェイドゥラエフは崩せなかったと語った。

 相手がみつからないなか、東京ドーム出場を回避することも考えられるが、朝倉に試合をしない選択肢はなかったという。

「出ないと成り立たないじゃないですか……なんで、出るしかなかった」と、東京ドーム大会のメインのフェザー級王座戦に次ぐ、セミのカードを自身が担う責任感から、出場を決めたとした。

ゴング格闘技 NO.337

2025年3月22日発売

表紙はさいたまSAで激突の武尊vs.ロッタン。全試合分析も掲載! MMAフェザー級特集ではクレベル&鈴木千裕の練習対談、シェイドゥラエフ独占インタビュー、バンタム級参戦のサバテロ、RIZIN柏木氏の日本MMAへの提言も

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