話題株ピックアップ【夕刊】(1):豊田織、アンリツ、きんでん
豊田織 <日足> 「株探」多機能チャートより
■愛知製鋼 <5482> 8,870円 +1,230 円 (+16.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
愛知製鋼<5482>やアイシン<7259>、豊田合成<7282>などトヨタ自動車<7203>を主要取引先とする自動車部品株が急騰。トヨタ系部品メーカーを大株主に持つユー・エム・シー・エレクトロニクス<6615>が大幅高となり、総合商社の豊田通商<8015>も堅調に推移している。前週末25日夜のトヨタ創業家による豊田自動織機<6201>への買収提案報道を刺激材料として、トヨタとの関係性の深い上場会社の一角に対しては、再編や非公開化などに向けた新たな動きへの思惑が広がる格好となり、物色人気化したようだ。トヨタも一時5%を超す上げとなった。■アンリツ <6754> 1,441.5円 +162 円 (+12.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
アンリツ<6754>は大幅高。マドを開けて買われた。前週末25日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比8.9%増の1230億円、営業利益を同23.7%増の150億円と発表した。前期に続き増収増益となる見通しを示しており、これが好感された。生成AIの普及拡大によるデータセンターでのネットワーク高速化に向けた測定需要が今後も拡大していくと想定。AIを搭載した高機能スマートフォンの普及加速による測定需要の獲得なども目指す。配当予想は前期比据え置きの40円とした。なお、同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比2.8%増の1129億7900万円、営業利益が同35.0%増の121億2400万円だった。■きんでん <1944> 3,848円 +427 円 (+12.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
きんでん<1944>が3営業日ぶりに反発し、新値追い。同社は25日取引終了後、25年3月期通期の連結決算を発表。配電工事や一般電気工事の増加などを背景に、営業利益は前の期比42.9%増の609億7900万円で着地した。また、期末配当を従来計画比8円増額の50円にすることも発表。これにより、中間配当40円をあわせた年間配当は90円(前の期は63円)となる。26年3月期通期の連結業績予想については、営業利益が前期比9.9%増の670億円を見込み、年間配当は前期比10円増配の100円(中間配当50円、期末配当50円)を計画している。■三井E&S <7003> 1,826円 +168 円 (+10.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
三井E&S<7003>やジャパンエンジンコーポレーション<6016>が急伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「米政府が造船業を巡り日本に安全保障と経済の両面で協力を求めることが分かった」と報じており、造船関連の一角として買い人気が高まったようだ。記事によると、日米で商業船舶を軍事転用可能な仕様で建造するほか、日本企業に米西海岸の造船業へ投資を要請するという。これを受けて旧三井造船である三井E&Sや舶用内燃機関を手掛けるジャパンエンのほか、名村造船所<7014>や内海造船<7018>、三菱重工業<7011>、川崎重工業<7012>、IHI<7013>など他の造船関連株も物色されている。■ispace <9348> 975円 +62 円 (+6.8%) 本日終値
ispace<9348>が4連騰。前週末25日の取引終了後、JAXA(宇宙航空研究開発機構)によって宇宙戦略基金として公募された「月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証」に、同社が中核的連携機関として参画する研究開発課題が採択されたと発表したことが好感された。採択された研究開発課題「テラヘルツ波リモートセンシング衛星による月地下浅部の資源探索」は東京科学大学を代表機関とし、同社を含む連携機関からなるプロジェクトチームにより行われる。同社は、中核的役割となる衛星開発及び打ち上げ輸送と運用を担当する予定だ。なお、事業の実施期間は4年程度を予定しており、支援規模上限の一部が26年3月期以降4年程度をかけて業績へ寄与するとしている。■信越化学工業 <4063> 4,313円 +267 円 (+6.6%) 本日終値
信越化学工業<4063>は4連騰。前週末25日取引終了後、取得上限2億株(自己株式を除く発行済み株数の10.2%)、または5000億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は5月21日~来年4月24日。株主還元姿勢を評価した買いが入った。同時に発表した25年3月期連結決算は売上高が前の期比6.1%増の2兆5612億円、営業利益が同5.9%増の7421億500万円だった。半導体材料を手掛ける電子材料事業が全体を牽引。塩化ビニルを手掛ける生活環境基盤材料事業は増収減益だった。配当は前の期比6円増の106円とした。なお、続く26年3月期の業績予想は非開示とし、第1四半期の見通しのみ開示した。売上高は前年同期比2.0%増の6100億円、営業利益は同13.1%減の1660億円とした。■小森コーポレーション <6349> 1,245円 +75 円 (+6.4%) 本日終値
小森コーポレーション<6349>が大幅高で5日続伸。前週末25日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の67億円から70億円(前の期比42.9%増)へ、純利益が61億円から72億円(同55.1%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。収益認識が翌期にずれ込んだものがあったことから、売上高は1133億円から1109億円(同6.4%増)へ下振れたものの、価格改定の効果が想定を上回ったことや為替が想定よりも円安で推移したことから原価率が改善し、更に販管費が減少した影響を受けて営業利益は上振れた。また、税効果会計の税区分変更により法人税等調整額が減少したことも最終利益押し上げに貢献した。なお、業績上振れに伴い、期末配当予想を35円から48円へ引き上げ、年間配当予想を68円(前の期60円)とした。■日本リーテック <1938> 1,616円 +95 円 (+6.3%) 本日終値
日本リーテック<1938>がマドを開けて急伸し、年初来高値を更新した。前週末25日の取引終了後、25年3月期の連結業績に関し、売上高が従来の予想を24億円上回る686億円(前の期比17.2%増)、最終利益が11億2000万円上回る47億円(同69.7%増)で着地したようだと発表し、ポジティブ視されたようだ。手持ち工事が順調に進捗したほか、効率的な施工や顧客との価格協議の結果、原価率が改善する見通しとなった。■ボードルア <4413> 5,620円 +330 円 (+6.2%) 本日終値
ボードルア<4413>が大幅高で5日ぶりに反発。前週末25日の取引終了後、5月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え株式の流動性の向上を図り、投資家層の更なる拡大を目的としている。 株探ニュース