アンビル星人のモビリティショー2025レポート【車両編】SF的な“カッコいいもの”を探しに行っただけなのにナゼか超話題の「カローラ コンセプト」デザインチームの記念写真を撮ってあげた話

まず最初の写真は今回のモビリティショー2025(以下:JMS)最大のトピックスともいえる「カローラ コンセプト」デザインチームの写真です。おそらくどこの自動車関連メディアも撮っていない貴重な一枚が、なぜか電ホビWebに載っている理由は読んでいただくうちに解ってくると思いますので、どうか最後までお付き合いください。

▲COROLLA CONSEPTデザインチーム

JMSそのものについては様々なメディアで語られているので端折りますが、11月9日(日)まで開催されていますので、この記事を参考に訪れていただくのも一興でしょう。

⇒Japan Mobility Show 2025

▲入場口写真(東ゲート)

そもそもなぜ電ホビで、なぜアンビル星人がレポートを?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実はバンダイが発行していた雑誌「B-CLUB」の98号(1993年12月発売)の特集「大研究SF CAR GRAPHIX超速激走」から、JMSの前身である「モーターショー」とのお付き合いです。この特集で初めて取材して以降、様々な立場で楽しませていただいています。

▲B-CLUB 98号表紙
▲2度目の「大研究SF CAR GRAPHIX超速激走Part2」を掲載した146号の記事

そんな訳でこのレポートは、動力性能やEV化、多様性や社会性などは一切無視で(笑)、昔のB-CLUB同様“SF的でカッコいいもの”を求めて取材しています。しかも「カッコいいSF的メカが観たいだけ」のアンビル星人のあくまで主観ですので、そのつもりで読んでいただけると幸いです。

と、いいながらのっけからSF的とは異なる車両ですみません。東ゲートから入ったので、最初の「車両」ジャンルは東6の商用車コーナーですが、そこでひときわ目立つのが日野自動車のラリーカー、2019年のクラス10連覇の一翼を担った日野レンジャー1号車です。恒例の展示でかつSF的…とは違いますがその塊感、コクピットのメカニック感に圧倒されます。説明員の方(望月裕司選手/ナビゲーター兼メカニック…気づかずスミマセン!)に、意外とプラモデル化に恵まれませんね、とお話ししたところ「そうなんです」と残念そうでしたが、なんとモデルカー(ミニカー)は10年ぶりにボンネットが特徴の最新車両「HINO600」ラリーカーが、このJMS(東7オフィシャルグッズショップ内・出展社プレミアムグッズコーナー)で先行販売だそうです!

▲日野レンジャー2019年参戦車(東6)
▲日野レンジャー2019年参戦車コックピット(東6)
▲1/43 HINO600(2025) 価格:22,000円(税込)/メーカー:深圳市飛舟模型(東7)

東ホール始め全館で展示される「車両」では、様々な超高性能スポーツタイプのコンセプトカーや量産直前車が発表されており、自動車マニアの注目を集めますが、そのデザインはすでに公道で見かけるいわゆる現行車両の延長で、スゴいのは凄いんですが今やSF的とまでは思えません。

▲BYD YANGWANG U9(ヤンワン・ユーナイン)(東5)
▲メルセデスCONCEPT AMG GT XX(東5)
▲スバルPerformance E-STI concept(東5)
▲マツダ VISION X-COUPE(東4)
▲BMW CONCEPT Speedtop(西1)
▲レクサス SPORT CONCEPT (南2)
▲新ブランド化も話題のセンチュリー クーペ(南2)

スポーツタイプ以外、普及車のコンセプトカーもモビリティショーの目玉であり華ですが、最近の車両は電動化によるレイアウトの自由度が上がり未来的ではあるものの、誰もが認めるビジュアリストであり名デザイナーのシド・ミードさん(少しだけお会いしたことアリ…タダの自慢)の名画に描かれたクルマ達の様で少し既視感を感じます。レクサスLS MICRO COMPACTなどがまさにそれで、シド・ミードさんの恐るべき才能を再認識はするんですが、SF的と言うより「未来的な優しさ」という感じで…なんというか「強さ」(笑)が足りません。(6輪が話題のレクサスLSコンセプトは撮り忘れました)

▲ホンダHONDA0 SALON(東4)
▲三菱 ELEVANCE Concept(東4)
▲マツダ VISION X-COMPACT(東4)
▲いすゞ VCCC(東5)
▲レクサス LS COUPE COMPACT(南2)
▲レクサス LS MICRO COMPACT(南2)

そんな中、SF的に「強そう」と目を見張るのが二輪車です。

そもそもバイクはエンジンという機能の根幹となるパーツが露出しており、それが「強そう」な印象に直結する乗り物で、ヤマハさんの展示するバイクもSF的な「強そう」に溢れています。なかでも「MOTOROiD:Λ」は外骨格デザインでムチャクチャSF的ですがロボット的な自律実験機の様です。

▲ヤマハMOTOROiD:Λ(東4)

そのブースにあってひときわ見目引くのが3 輪手動操舵(3WS)のコンセプトモデル「TRICERA proto」で、そのSF的なビジュアルに痺れます。

▲ヤマハTRICERA proto(東4)

なんとこの三輪車両、前輪のハンドル操舵だけでなく後輪はフット・パドルで操舵するという、まるで戦闘機の操縦みたいで、たまらずデザインを担当された竹野敦郎さんにお話をお聞きしました。竹野さんはデザイン前に試作車に試乗して「走る喜びというか未体験の旋回性能が面白くて、これはこの構造そのものを形にしよう」と思われたそうです。

▲TRICERA protoと竹野さん

三輪全部をむき出しで見せ、さらに横のトラスフレームやセンターフレームなどの構造もアイコンとして全部見せる形で使おうと考え、特にセンターフレームは横から見てアーチ状に、上から見て前後の三輪を?ぐ背骨に見えることを念頭に置いてデザインを進めたそうです。機械としての魅力がそのまま出ていると思うのでそこはアンビル星人の言うところのロボットに通じるところがあるかも知れませんね、との嬉しいお返事でした。

▲TRICERA proto 後方(東4)
▲TRICERA proto 後(東4)

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