年末年始の円は下落か、日米金融政策の違い意識-介入リスクに警戒も

酒井大輔

年末年始の円相場は下落する可能性がある。タカ派的な利下げを実施した米連邦準備制度理事会(FRB)とハト派的据え置きを決めた日本銀行の対比を背景に、ドル高・円安圧力が根強い。正月休みで国内勢が不在の中、投機的な円売りが膨らんだ場合の介入リスクも警戒される。

市場関係者の見方

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • 来週は日本勢が不在のため、相場は振れやすい。基調としては日米の金融政策決定を受けてドル高・円安基調が続きやすい
  • 雇用統計に向けて一連の米労働関連指標が良好なら、1ドル=160円の節目や7月に付けた161円95銭が意識されやすい
  • 投機筋の円売り仕掛けが活発化し160円を超える円安となった場合は、介入のリスクが一段と強まりそう

外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長

  • 利下げに慎重な米金融当局と利上げに慎重な日銀という組み合わせはドル高・円安を示唆するため、じりじりと160円を試す可能性はある
  • もっとも、米長期金利やドルは利下げ観測後退を織り込んだ上、やや行き過ぎ感がある。米経済指標が足元の米長期金利の水準を正当化するかがポイント
  • 米経済指標が失望となったときの円高余地の方が大きい。日米金融政策の織り込みが進んだこともあり、年末年始に円買い介入を強いられるような動きの可能性は小さいとみている
ドル・円 午後2時20分時点

2週間予想

(ブルームバーグ為替レート予想モデル)

154円39銭-160円49銭 2週間物予想変動率 9.6550% 2週間物リスクリバーサル 1.0225%の円コールオーバー

年末年始の注目材料

年末年始の主な予定

  • 2日:米新規失業保険申請件数、
  • 3日:12月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、米リッチモンド連銀総裁が講演
  • 7日:11月の米求人件数、12月の米ISM非製造業景況指数
  • 8日:12月の米ADP雇用統計、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17~18日開催分)
  • 9日:日銀支店長会議、11月の毎月勤労統計、米新規失業保険申請件数、米フィラデルフィア連銀総裁が講演
  • 10日:1月の米ミシガン大学消費者マインド指数
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