S&P500に失速の兆し、上昇広がらず投資家に疲れか-ミラー・タバク
Alexandra Semenova
- 過去17日で変化率が1%未満、12月以来の長期的な鈍い値動き
- 明るいニュース、大半は織り込み済み-UBSセキュリティーズ
今月の米国株は記録的な高値圏で推移しているものの、上昇トレンドの勢いが失われつつある兆しが見えている。
S&P500種株価指数は、過去17営業日にわたり変化率が1%を下回っている。これほど静かな展開が続くのは昨年12月以来だ。ミラー・タバクのチーフマーケットストラテジスト、マット・メイリー氏によれば、鈍い値動きは4月の米関税措置の発表を巡る株価急落からの大幅な回復が失速しつつあることを示している。
メイリー氏は、ここ数週間、連邦準備制度理事会(FRB)議長の去就やトランプ大統領による貿易戦争に関するニュースが相次ぐ中で、投資家はハイテク株主導の上げに他の銘柄が加わるのを待ち続けることに疲れ始めているようだと述べた。
同氏は「狭い範囲での上昇が勢いを失うときは、通常、投資家がより広範での上昇の兆候を探し始めていることを意味する」と指摘。「その兆しが見られない場合、投資家はしばらく後退する傾向がある」と続けた。
現在は決算発表シーズンが始まったばかりで、貿易交渉も流動的な状況にあり、米利下げは数カ月先になるとの観測も高まっている中、投資家が慎重な姿勢を取るのも無理はないだろう。
UBSセキュリティーズのマクロ株式ストラテジスト、アーロン・ノルドビク氏は、通常7月に見られる株の強さといった支援材料が現在は弱まっていると指摘する。
ノルドビク氏は「私はしばらく強気だったが、明るいニュースの大半はすでに株価に織り込まれている」と述べ、急落の可能性は低いとしながらも、数週間前と比べて株式のリスクリワードの魅力は薄れていると述べた。
原題:S&P 500 Sends a Signal of Waning Momentum Under Rally’s Surface
(抜粋)
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