バイク星人マルク・マルケスも人の子。6年ぶりタイトル目前にプレッシャー「チャンピオンシップの価値が今はよく分かる」
モビリティリゾートもてぎで行なわれているMotoGP日本GP。ドゥカティのマルク・マルケスは苦戦気味となっているが、世界タイトル獲得を目前にした今、プレッシャーを実感しているという。
マルク・マルケスは今年、圧倒的な強さでタイトル獲得に向けて邁進。第16戦サンマリノGPで初のマッチポイントを迎え、第17戦日本GPでのチャンピオン確定の可能性が非常に高まった。
マルク・マルケスは、レースウィーク全体でランキング2位のアレックス・マルケス(グレシーニ)よりも、3ポイント以上多く稼げば、決勝後にタイトルが確定する。しかしプラクティスでは終盤まで予選Q2直行を逃しかねない順位に沈んでいたり、3番手からスタートしたスプリントではジョアン・ミル(ホンダ)の追い抜きに苦戦したりと、日本GPは絶好調という様子ではなかった。
「普段よりも身体が重いように感じるんだ」と、スプリント後にマルク・マルケスが語った。
「守備的なポジションで、違うライディングスタイルになっている。とにかく、何もかも慎重になっているんだ」
「スプリント前半ではジョアンとペドロ(アコスタ/KTM)をオーバーテイクするのも難しかった。このふたりはブレーキングがかなり強くて、オーバーテイクするのが難しいんだ」
「でも、今週末は僕のライディングが完璧じゃないというのも事実だ。スプリントの終盤には良くなり始めたから、決勝で改善できるかどうか、様子を見てみよう」
こうした状況は、2019年以来6年ぶりのタイトルに王手をかけていることが関係しているとマルク・マルケスは考えている。
タイトル争いの状況が日本GPでのライディングに影響を及ぼしているのかと訊かれたマルク・マルケスは、次のように答えた。
「バイクはサンマリノGPから何も変えていないからね。その通りだ」
「他のレースでも同じバイクに乗っているし、状況が違うだけだ」
「僕はこれまでに同じようなシチュエーションは経験してきたけど、もっと勝つことに慣れていた。こう言ってしまうのも変だけど、世界選手権というものをより理解できてきた」
「以前はチャンピオンシップがどういうものかに慣れていて、いい意味でその価値を理解していなかった。でも今はよく分かる。あらゆる面で多大な代償を払ってきているということがね。だからより注意しているんだ」
「日に日に(タイトルが)近づいてきていると感じられていると言えばいいだろうか。だからこそ、肩に重荷を感じている」
「ペッコ(フランチェスコ・バニャイヤ/チームメイト)が素晴らしいレース内容でカムバックしてきたのは良かったと思う。でも、それ以外は気にしていない。ポイントを積み増したいとは思っているけど、明日そうならなくても、『心配しなくても、来週またチャンスが有るよ』と言うつもりだ」
「アレックスが普段よりも苦戦していることが、僕をより保守的にさせているところもある」
「だから明日は上手くスタートを切って、自分のレースをしてコントロールできるかどうかだろう」
なおマルク・マルケスはスプリントでバニャイヤに次ぐ2位となった一方で、アレックス・マルケスは10位でノーポイント。ふたりのポイント差は191点差にまで広がった。アレックス・マルケスは兄よりも7ポイント以上多く稼げばタイトル決定は持ち越されるが、マルク・マルケスが仮に優勝すれば、アレックス・マルケスが2位になってもタイトルが決定する。
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