宇宙には不思議がいっぱい!ポケモンと一緒に宇宙の神秘を学ぶ「ポケモン天文台」が11月より全国の博物館を巡回|ウォーカープラス

日本の天文学研究の拠点「自然科学研究機構 国立天文台」(以下、国立天文台)が、ポケモンとコラボした特別展「ポケモン天文台」が2025年11月より全国の博物館を巡回する。最初の開催は、神奈川県相模原市の相模原市立博物館で、会期は2025年11月1日(土)~2026年1月12日(祝)。その後、2026年春は東北地方、夏には宮城県角田市のかくだ田園ホール、秋には愛知県の豊橋市自然史博物館、冬には長崎県長崎市の長崎歴史文化博物館での開催が予定されている。ポケモンと一緒に未知が広がる宇宙の姿をのぞける展覧会とは一体どのようなものなのだろうか。

ポケモン×国立天文台の「ポケモン天文台」が2025年11月から全国を巡回!(C)Pokémon. (C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.

木星と似ているポケモンって?宇宙の謎をポケモンと一緒に楽しく学ぼう!

ポケモン天文台では、ポケモンと一緒に太陽や月、太陽系内外の天体の特徴をポケモンになぞらえながら学ぶことができる。たとえば、太陽系惑星の一つ、木星はシマシマで丸い赤い目のような模様があり、地面のない「ガス」でできているという特徴を持っている。そんな木星と似た特徴を持つポケモンが、一見関係なさそうに見えるゴーストタイプのポケモン「サマヨール」。サマヨールは、シマシマ模様で、赤い一つ目があり、中身は空洞である。こうして特徴をピックアップしてみると、それぞれ実はよく似たところが見つかっていく。ポケモンは知っているけど、星に詳しくないという人は木星の特徴を。星には詳しいけど、ポケモンをよく知らないという人は新しくポケモンの特徴を知ることができる、という構成は、コラボならではの展示内容だ。これまで宇宙のことをあまり知らなかったという人にとっても、宇宙の持つ壮大な神秘の世界とそのロマンを学べる展示内容は、好奇心をくすぐること間違いなしだ。

木星と共通の特徴を複数持つ、ゴーストタイプのポケモン「サマヨール」(画像はイメージ)(C)Pokémon. (C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. 太陽系内の惑星である木星はおもに水素とヘリウムのガスから成るガス惑星で、表面にはシマシマ模様が見られる(画像はイメージ)

ほかにも、これまでの天文学・宇宙科学の歴史の中で明らかにされてきた宇宙の姿を、豊富な画像、映像、模型や資料を見ながら、さまざまなポケモンたちを通して学べる展示も登場する。また、宇宙にまつわるあの伝説のポケモンや幻のポケモンに出会えるかもしれないとのこと。天文ファンもポケモンファンも見逃せない、宇宙の謎を楽しく学べる展覧会となっている。

2019年に日本の探査機「はやぶさ2」が着陸したリュウグウ(C)JAXA、東大など 国立天文台が運用する「すばる望遠鏡」はハワイのマウナケア山頂域(標高約4200メートル)にあり、太陽系内の天体から100億光年以上遠方の天体まで、広範囲の宇宙の研究に使われている(C)Dr. Vera Maria Passegger/国立天文台

ポケモン担当者にインタビュー!知的でかわいい「ほしぞらピカチュウ」の裏話とは?

今回は、国立天文台とのコラボのきっかけや、キービジュアルに登場する「ほしぞらピカチュウ」のデザインなどについて、株式会社ポケモンの担当者に話を聞いてみた。

――ポケモン天文台の開催の狙い、ターゲットを教えてください。

天文学や宇宙科学に代表される、未知が広がる宇宙の探求と、無限の可能性を持つ不思議な生き物「ポケモン」との冒険。両者の間には、未知の世界に対する探求心・好奇心に導かれて出発し、新たな発見に「ワクワク」「ドキドキ」しながら前進していくという共通点があります。今回のポケモン天文台は、この天文学・宇宙科学と、ポケモンの高い親和性を活かし、小学生のお子様から、天文・宇宙好きの人、宇宙には詳しくないけどポケモンが好きな人まで、楽しく学んでいただける企画展になっています。そして、今回の企画展で子どもたちに天文学をはじめとする科学研究に興味を持ってもらい、発見・探求のおもしろさを改めて伝えられたらと考えています。将来の科学技術分野の人材育成につながったらとてもうれしいです。

――国立天文台とポケモンがコラボするというアイデアはどのようにして生まれましたか?

宇宙探求と『ポケットモンスター』シリーズの冒険は似ているという点や、宇宙と関連するポケモンが複数存在するという事実から、子どもたちとの新たな接点として「宇宙科学×ポケモン」の展示会をできないかというアイデアが、ポケモン社内で持ち上がりました。その実現のため、専門的な機関のお力添えをいただきたいと考え、国立天文台様にお声がけさせていただき、ご快諾いただいたという経緯となります。 宇宙と関係するポケモンたちと「ほしぞらピカチュウ」が一緒に登場するメインビジュアル(C)Pokémon. (C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.

――宇宙と関係するポケモンの展示の例を教えてください。 特徴が似ている点に注目した木星とサマヨールの展示のほかにも、さまざまなポケモンが登場し、「ポケモンを知ろうとすると、宇宙のことを知れる」、「宇宙のことを知ろうとすると、ポケモンのことも知れる」という体験をお届けできるように展示を設計しています。たとえば、“せいうんポケモン”「コスモッグ」が、“げんしせいポケモン”「コスモウム」に進化していく様子は、実際に宇宙で恒星が誕生していく過程とそっくりです。その特徴に注目し、コスモッグの進化になぞらえて、恒星が生まれてなくなるまでの「星の一生」を学ぶ展示もあります。また、太陽のコーナーでは、太陽に強い磁場があることを強い磁場を持つ「レアコイル」「ジバコイル」といったポケモンと一緒に体験できる、体験型展示も用意する予定です。このように、宇宙との関係がうたわれているポケモンから、一見関係のないように見えるポケモンまで、多くの種類のポケモンが登場し宇宙の謎を知る手がかりを与えてくれる展示となっています。

――コラボに向けて困難だった点はありましたか?

国立天文台様は展示会の主催が初めてで、宇宙とポケモンを学術的に紐づけることはポケモン社にとっても初でした。そのため、展示コンセプトの段階から、天文学的な意義とポケモンの見せ方・結び付け方のすり合わせに時間を要しました。それぞれの立場から意見を持ち寄りつつも、お互いのキーポイントを尊重しあい、丁寧に議論を重ねてきました。その結果、学術的に妥協することなく、ポケモンと天文学のコラボが実現し、天文学のおもしろさを伝えられる特別展になりました。

――メインビジュアルに登場する「ほしぞらピカチュウ」のデザインのこだわりを教えてください。

星空に向けて望遠鏡をのぞき込んでいる「ほしぞらピカチュウ」は、今回のポケモン天文台の案内役。望遠鏡だけでなく、ピカチュウに似合うローブのような衣装も着てもらい、「天文学」というイメージを直感的に感じてもらえるよう試行錯誤し、今回のデザインになりました。知的で神秘的でかわいいピカチュウになったと思いますので、ぜひご注目ください!ちなみに、望遠鏡はポケモンの世界のものです。実際に私たちが天体観測で使う望遠鏡と同じかはわかりませんが、ほしぞらピカチュウは置き型と手持ちの2種類の望遠鏡を持っているようです。使い分けて天体を観測しているようですね。 手持ち望遠鏡で星を観測する「ほしぞらピカチュウ」がぬいぐるみに!そのほかのグッズも今後公開予定とのこと(C)Pokémon. (C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.

――最後に読者に一言お願いします! ポケモン天文台は、天文好きの人、ポケモン好きの人、あるいは両方あまり詳しくないけど今回の展覧会に興味をもっていただいた人、皆様にお楽しみいただける展示会です。宇宙で採取され地球に持ち帰られた貴重なサンプルや、伝説や幻のポケモンに出会えるチャンスもあります!ぜひここにしかない知的な出合いを体験しにきてください!壮大な宇宙の神秘を紐解こうとする天文学・宇宙科学の世界には、「かがくのちからってすげー!」となるような科学者たちの努力の結晶が詰まっている。そんな天文学の研究を引っ張り、おもしろさを伝えていく国立天文台が、多くの人に愛されてきたポケモンとコラボして開催される「ポケモン天文台」は、未知へ広がる宇宙への探求心を呼び起こしてくれること間違いなし。『ポケットモンスター』シリーズの世界を旅するときと同じように、好奇心に従うまま「ワクワク」「ドキドキ」しながら、広大な天文学の世界への一歩を踏み出してみてはいかが?(C)Pokémon. (C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

文=平岡大和

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