耳にしたBリーグの噂「隠れた宝石と…」 欧州から移籍即決、日本が「世界で最もフィジカルなバスケ」
いまやプロスポーツで当たり前の存在になった外国籍選手や指導者たち。しかし、競技以外にスポットライトが当たることは多くない。母国を離れて日本という異国の適応に励みながら、どんな日々を送っているのか。「THE ANSWER」は、連載「Athlete Life in Japan」で様々な声を取り上げる。第1回はバスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースに今季加入した米国出身のサッシャ・キリヤ・ジョーンズ。英国人の母を持ち、英国代表に4度選出されている身長211センチのセンターだ。前編ではチェコ、エストニア、ポーランド、イスラエル、スペインなどを渡り歩いた26歳に、日本行きを選んだ理由やBリーグで驚いたことなどを聞いた。
いまやプロスポーツで当たり前の存在になった外国籍選手や指導者たち。しかし、競技以外にスポットライトが当たることは多くない。母国を離れて日本という異国の適応に励みながら、どんな日々を送っているのか。「THE ANSWER」は、連載「Athlete Life in Japan」で様々な声を取り上げる。第1回はバスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースに今季加入した米国出身のサッシャ・キリヤ・ジョーンズ。英国人の母を持ち、英国代表に4度選出されている身長211センチのセンターだ。前編ではチェコ、エストニア、ポーランド、イスラエル、スペインなどを渡り歩いた26歳に、日本行きを選んだ理由やBリーグで驚いたことなどを聞いた。
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川崎から昨夏に声がかかった時、キリヤ・ジョーンズは悩まなかった。欧州のチームからも満足いくオファーを受けたが、「並べて比較したけど、ほぼ考えるまでもなかった」。即決の理由には友人の言葉があった。マイルズ・ヘソン(富山)、ゼイビア・クックス(元千葉J)、グラント・ジェレット(宇都宮)らから「圧倒的にポジティブなことを聞いた」。Bリーグ経験者の高評価が背中を押した。
「彼らは(Bリーグのことを)隠れた宝石のように言うんだ。欧州の多くの人たちは日本のリーグのことをまだよく知らないから。いろんな人と話してみて、素晴らしい状況だと感じたんだ」。代理人からは川崎が主力の抜けた変革期であること、家族を大事にするチームであり、ファンを中心とした組織であることなどを聞き、さらに興味を持った。
迷いなく飛び込んだ新しい環境は驚きの連続だった。「バスケットのレベルは予想よりも遥かに高かった」。9月にはプレシーズンゲームで横浜BC、宇都宮と対戦。「これは本物のリーグだ。難しいぞ」と実感した。特に仰天したのが、体を激しくぶつけ合うフィジカルの強さ。「こんなにフィジカルが強いのは経験したことがない。しかも土日は2日連続で試合をやったりするから体の負担が大きいよ」と笑う。
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米ケンタッキー大でプレー後、チェコ、エストニア、ポーランド、イスラエル、米Gリーグ、スペインを渡り歩いた。イギリス代表も4度経験。「米国で育つ中で、欧州が世界で最もフィジカルなバスケットボールをすると聞いてきた。実際に欧州でプレーして、その通りだと信じていた。でも日本に来たら、ここが世界で最もフィジカルなバスケットだった」。考えを改めざるを得なかった。
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「ここの文化はどんな状況でも懸命にプレーすること、練習でも本当に努力することだと思う」。違いが出るのが、残り4分で20点ビハインドといった大差がついた場面。「欧州の人たちはアクセルから足を離すけど、ここの選手たちは最後の1秒までファウル上等の激しいプレーをし、ボールを追って床に飛び込む。他の地域ではあまり見たことがない。とても尊敬しているよ」と敬意を込めた。
土日に連続して試合があるスケジュールも含め、来日当初は戸惑いも多かった。「最初は苦戦したけど、シーズンが進むにつれていいプレーができるようになってきた。アジャストしていかないといけないけど、それも楽しいよ。ここまでは本当に文句のつけようがないし、素晴らしいね」。異国でも前向きでいられ続ける理由には、私生活でもストレスを感じずに過ごせていることが大きいという。
(後編へ続く)
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)