金・原油はイラン戦争次第の展開、5月は海峡封鎖で持久戦 <GW特集>
MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行
● 金は投資資金流出やトルコ・ロシアの金売却が圧迫
世界最大の金ETF(上場投信)であるSPDRゴールド・シェア<GLD>の現物保有高は、4月24日に1046.62トン(2月末1101.33トン)と減少。イラン戦争開始でドル高に振れたことを受けて投資資金が流出した。停戦協議を受けて戦争の早期終結期待が高まると投資資金が戻ったが、協議決裂で再び資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、ニューヨーク金先物市場でファンド筋の買い越しは4月21日時点で16万4006枚(2月24日15万9177枚)となった。3月の価格急落を受けて16万8327枚まで拡大したが、戻り場面で縮小した。
各国の中央銀行は3月の価格急落場面で金準備を拡大したが、トルコはリラ急落に対処、ロシアはウクライナ戦争による財政圧迫を解消するため、それぞれ金準備を売却した。イラン戦争が続けば、インフレ高止まりと景気後退のスタグフレーションになる恐れがあり、現金化の動きが続くとみられる。● 原油は調達先の変更や各国の備蓄量を確認
イラン戦争によってホルムズ海峡が事実上封鎖され、湾岸諸国からの輸出がほぼ停止した。石油価格上昇を受けて国際エネルギー機関(IEA)の加盟国は、協調して過去最高の4億バレルの備蓄放出で合意した。また、米財務省はロシア産原油の制裁解除を発表した。各国は原油の調達先を中東から米国に変更した。日本の備蓄量は248日分あり、3月16日から備蓄放出を開始した。各国の備蓄量も注視したい。 一方、原油価格の上昇を受けて肥料や食料の価格も上昇した。インフレ高止まりを受けてオースラリア準備銀行が利上げを決定し、ニュージーランド準備銀行も利上げするとみられている。米連邦準備理事会(FRB)は景気後退の可能性もあることから、当面は金利据え置きを継続するとみられている。インフレ動向を引き続き確認したい。 (MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)⇒⇒★「年後半相場をリードする3大テーマ」など、【GW特集】"43本"の記事一覧は、ここをクリック!
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