球状星団の美しさが映える赤外線観測 ウェッブが撮影した銀河中心方向の「NGC 6440」

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)

こちらは、soraeが2024年5月5日の記事で紹介した球状星団「NGC 6440」です。ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ「NIRCam」が取得した赤外線データをもとに作成されたの疑似カラー画像となっています。

  • Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, P. Freire; Acknowledgement: M. Cadelano and C. Pallanca
  • sorae - きらびやかな球状星団の輝き ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した「NGC 6440」

球状星団とは、数万〜数百万個もの恒星が球状に密集した天体で、天の川銀河では現在までに150個あまりが確認されています。画像中心よりやや左上に星がびっしり集まるNGC 6440は、宝石箱をひっくり返したかのような輝きを放っています。

ウェッブ宇宙望遠鏡による観測からヘリウムと酸素の含有量が星ごとに異なることが初めて明らかになりました。NGC 6440がある「いて座」や隣接する「さそり座」の方向には塵(ダスト)を多く含むガスが分布しており、星から放射された光が塵に吸収・散乱されたり、星が実際よりも赤っぽく見えてしまったりして観測が難しい領域となっています。赤外線に強いウェッブ宇宙望遠鏡は、銀河中心方向の球状星団の詳細な調査を可能にしています。

下の動画は、ハッブル宇宙望遠鏡とウェッブ宇宙望遠鏡が撮影したNGC 6440を比較したもので、可視光と赤外線での見え方の違いをひと目で確認することができます。

編集/sorae編集部

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