巨人・田中将大が昇格猛アピール「まだまだ全然いけました」 桑田2軍監督「1軍でも十分に貢献できる」
◆イースタン・リーグ 巨人3xー0ロッテ=延長10回タイブレーク=(18日・ジャイアンツタウンスタジアム)
巨人の田中将大投手(36)が18日、1軍再昇格をアピールする力投を見せた。イースタン・ロッテ戦(Gタウン)で2軍降格後5度目の登板に臨み、加入後最長タイの6回を投げて5安打無失点。最速は147キロをマークした。無四死球で毎回の6三振を奪い、ポランコ、石川慎ら1軍経験者も並ぶ打線を0封した。桑田2軍監督も「もう1軍で投げさせてあげたい」と絶賛する内容で、1軍復帰に向けて力強く前進した。
試合後に取材を受ける田中将の明るい表情が、充実した投球内容だったことを物語っていた。巨人加入後最長タイとなる6回を80球でテンポ良く投げ終え、5安打無失点で毎回の6奪三振。「全体的に良かったんじゃないかな、と思います。いい形でアウトを積み重ねることができた。まだまだ全然いけましたね」。気温30度を超える炎天下をものともせず、マウンドで躍動した。
前回登板、11日のイースタン・日本ハム戦(Gタウン)では2回までに4点を失ったが、この日は初回をわずか6球で3者凡退に封じ、3回までに26球。カーブ、スライダー、カットボール、スプリットなどの球種を織り交ぜながら、ストライク先行で投球を組み立てた。3、4、6回は得点圏に走者を背負ったが、要所を締めて「走者が得点圏に進んでからも、一球一球しっかりとコントロールしながら投げられた」。楽天時代の同僚・美馬との熱い投手戦を繰り広げた。
課題を消化し、結果に結びつけた。桑田2軍監督ら首脳陣と確認してきたのは、外角低めの直球と打者の内角を突く球種の精度。この日は松石、山口から外角低め145キロで三振を奪うと、ポランコら左打者はカットボール、右打者にはツーシームで内角を突き、「理想的なアウトの取り方もできた」。課題を克服した投球内容を、桑田2軍監督は「僕がイメージしていたのは今日の感じ。この感じが出れば1軍でも十分に貢献できる。もう1軍で投げさせてあげたいな、と僕は思います」と絶賛した。
5月上旬に2軍降格後、5度の実戦登板を経て再昇格に向けて前進。あとは来たるべき時に備え、結果を積み重ねるのみだ。「どこであれ、マウンドに上がってやることは一緒。(1軍に)いつ呼ばれてもいいように、呼ばれるためにしっかり投げておかないといけないですから。同じように準備していくだけです」。あと2つに迫る日米通算200勝へ、戦いのマウンドに戻る日は着実に近づいている。(小島 和之)
◆田中将2軍降格からこれまで ▽5月1日 広島戦(東京D)に日米通算199勝目を目指して先発も、初回2死から5連打で3失点するなど3回8安打3失点で降板。試合後、阿部監督は「次はちょっといつっていうのは言えない」と、時期を決めずに2軍で復調を待つ考えを明かし、翌2日に出場選手登録を抹消された。 ▽同18日 イースタン・オイシックス戦(八王子)に先発し、2軍降格後初登板。予定の3回を4安打1失点、最速148キロをマークし「一つ一つの球に手応えはあった。ただ、右のインサイド(の制球)にミスが多い」と反省。 ▽同24日 イースタン・西武戦(Gタウン)に先発。移籍後最長の6回を投げて1失点で「ゲームを通しての難しさを感じられた。そこはすごく収穫だった。確実に前進はしている」。 ▽6月1日 イースタン・DeNA戦(平塚)に先発し、3回1安打無失点と好投。球団計測では最速146キロ。安打も芯で捉えられた打球ではなく、「いい感じでアウトを積み重ねることができた」。 ▽同11日 イースタン・日本ハム戦(Gタウン)に先発し、5回7安打4失点。降雨コールドとなった一戦で初回からマウンドが滑る悪条件だったが「プレーボールがかかれば関係ないし、言い訳にならない。今日を糧に、同じような状況の時に繰り返さないようにしたい」。
▽同18日 イースタン・ロッテ戦(Gタウン)に先発。移籍後最長タイの6回を5安打無失点、毎回の6奪三振。