【特報】Googleが「Android」と「Chrome OS」を統合へ

 この統合により、Google製デバイス同士が今まで以上に滑らかに連動するようになる見通しだ──。

(James Martin) ※クリックすると拡大画像が見られます


 Googleがついに、同社の看板OSである「Android」と「ChromeOS」を統合する。

 この統合が実現すれば、AndroidスマートフォンとChromebookの間でも、Apple製品間のようなシームレスな連携が可能になるとみられる。

 Android部門トップを務めるサミール・サマット氏は、TechRadarのインタビューで次のように語った。

 「私たちは、ChromeOSとAndroidをひとつのプラットフォームへ統合する予定だ。いま人々がノートPCをどのように使い、どんな作業をしているのか、その実態に興味を持っている」

 CNETが本件についてGoogleにコメントを求めたところ、同社はサマット氏がX(旧Twitter)に投稿したメッセージを案内してきた。

 「私たちは現在、Androidの基盤技術をベースとして、その上にChromeOSの体験を構築している。これによりパフォーマンスを劇的に向上させ、迅速な開発を可能にし、ノートPCとスマートフォンの連携を今まで以上に快適なものにしていく。私自身、とても楽しみにしている」(サマット氏のX投稿)

Great to see so much interest in this topic! To reiterate what we announced in our 2024 blog post: we're building the ChromeOS experience on top of Android underlying technology to unlock new levels of performance, iterate faster, & make your laptop + phone work better together.… https://t.co/wIiiwkold3

— Sameer Samat (@ssamat) July 14, 2025

 なお、サマット氏は統合がいつ頃完了するかの具体的なスケジュールまでは示していない。ただ、同氏によると、Googleは2024年から統合作業に着手している。

 この動きが明らかになったのは、Googleが最新の「Android 16」をリリースしたタイミングとも重なっている。最新版ではデザインが大幅に刷新され、「Material 3 Expressive」などの新機能を通じて、特にタブレットでの体験が格段に向上した。サマット氏自身、「過去3~4年で最大のデザイン変更だ」と強調している。

 元CNET記者で現在は『Android Faithful』ポッドキャストの共同司会を務めるジェイソン・ハウェル氏は、今回のAndroidとChromeOSの統合を「もはや必然」と捉えている。

 「これまでの数年間、Googleが積み重ねてきた小さな改善や変更が、この統合への道筋を着実に作り上げてきた」とハウェル氏はCNETに語った。

 「今回Googleが正式に統合を宣言したこと自体は驚きではない。しかし、この移行を明確に決断したことには好感を抱いている。Appleの強みであるエコシステムのシームレスな統合を、Googleが自社のプラットフォームで再現したがるのは自然な流れだ。Androidも2008年の登場以来、大きく進化している」

 さらにハウェル氏は、ユーザーへのメリットについて、「ユーザーはもう、デバイスが変わるたびに操作方法を覚え直す必要がなくなる。スマートフォンからノートPCやタブレットへと頻繁にデバイスを切り替える人ほど、この恩恵を受けるだろう。毎日の作業が快適で直感的になり、混乱もなくなる」と説明した。

 そもそも、AndroidはLinuxをベースに2008年に登場して以来、世界でもっとも多く使われるモバイルOSへと成長を遂げた。一方、ChromeOSはその3年後に発表され、ウェブブラウジング中心の軽量なOSとして親しまれている。Android搭載の代表的なスマホには、サムスンやモトローラ、OnePlus、そしてGoogle自身のPixelシリーズなどが名を連ねている。

 「これまでAndroidとChromeOSは、似た課題を異なる角度から解決しようとしてきた。ChromeOSはウェブを中心に、軽量かつシンプルな作業に最適化され、Androidはモバイルアプリに最適化されたOSだった」とハウェル氏。「今回ふたつのOSを統合することで、Googleはひとつの強力なプラットフォームに力を集中できる。統一された使い勝手となり、ユーザーも快適になるはずだ」

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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