サトシ・ナカモトの資産が世界第10位に迫る(CoinDesk JAPAN)
ビットコイン(BTC)の匿名の創始者、サトシ・ナカモト氏は現在、世界で最も裕福な個人の一人だ。彼は、その資産を1ドルたりとも動かしておらず、身元を特定できる情報も一切明かしていない。 パブリックブロックチェーンデータによると、ビットコインは7月14日に12万2000ドルを超え、ナカモト氏が保有する推定110万BTCの価値は1340億ドル(約19兆4300万円、1ドル=145円換算)を超えている。 フォーブスのリアルタイム億万長者リストによると、彼は世界トップ10の富豪のすぐ後ろに位置しており、デル・コンピューター(Dell Computers)のマイケル・デル(Michael Dell)CEOやウォルマート(Walmart)の相続人であるロブ・ウォルトン(Rob Walton)氏といった名だたる人物を上回り、マイクロソフト(Microsoft)のスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)元CEOや伝説の投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏にも徐々に近づいている。 いまや彼の資産は、推定純資産1420億ドル(約20兆59000億円)のグーグル共同創業者セルゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏に迫るところまで来た。 ナカモト氏のウォレットは、ネットワーク初期におけるマイニングによって保有資産のすべてを獲得し、2010年以来、手つかずのままだ。当時、ネットワークは数台のノートパソコンで稼働していた。 BTCは一度も移動しておらず、ナカモト氏が死亡したのか、行方不明になったのか、それとも二度とプロジェクトに干渉しないと誓っただけなのか、さまざまな憶測が飛び交っている。 多くの億万長者とは異なり、ナカモト氏は会社を設立したり、ベンチャーキャピタルにプレゼンしたり、株式市場に上場したりすることはなかった。そして16年後、その存在は現在の評価額で2兆4000億ドル(約348兆円)規模のネットワークを生み出す原動力となった。 ビットコインは今週、ETF(上場投資信託)への新たな資金流入、インフレヘッジのストーリー、そして機関投資家からの根強い需要に支えられ、史上最高値を更新した。ナカモト氏の資産は理論上のもの(一部が売却されたり、アクセス可能であることが確認されたりしたことがない)だが、この評価額は、ナカモト氏が2011年にフォーラムに最後の投稿をして以来、暗号資産がいかに発展してきたかを浮き彫りにしている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin’s Mysterious Creator Is (Almost) the World’s 10th Richest Person
CoinDesk Japan 編集部